サイトロンジャパンは、中国の天体望遠鏡メーカーJiaxing Ruixing Optical Instrument社の「Askar (アスカー) FRA300 Pro」を2022年8月5日に発売した。価格はオープン。参考価格は164,000円 (税込)。
「Askar」は一眼レフカメラに装着して写真撮影を行うことに特化した天体望遠鏡シリーズ。「Askar FRA300 Pro」は焦点距離300mm F5.0相当で、レンズを前群と後群に分けて、色収差、コマ収差、歪曲収差などを補正するペッツバール式の光学設計に基づいて設計された。EDレンズ1枚を含む5枚のレンズを適切に配置することで、諸収差を極限まで抑えている。イメージサークルはφ44mmと大きく、フルサイズセンサーをカバーする。
天体望遠鏡などの光学性能の高さを見る基準の1つである最小スポット径は、光軸中心でRMS半径約2μmと小さく、シャープな描写が得られることを示している。周辺部まで均質な描写で、最新の高画素センサー搭載カメラでも十分な解像度が得られる。
レンズ先端部には伸縮式フードを内蔵し、収納時は全長303mmとコンパクト。撮影時にはフードを引き出すことで、逆光の影響を減らし、夜露の付着を低減する。
正確にピントを合わせられるよう、ラックアンドピニオン方式のフォーカサー (ピント合わせ機構) を採用。側面に突き出したダイヤル状のフォーカサーを回すことでフォーカシングを行う。フォーカサーには減速装置が標準で装備されており、シビアなピント合わせもスムーズに行える。また、ドローチューブ (ピントを出すために前後に伸縮する筒状のパーツ) には構図回転に便利な360°回転機能も備わっている。
写真用レンズの三脚座にあたるドブテイルバーは300mmと長く、重いカメラを取り付けても前後のバランスが取りやすい仕様になっている。レンズをドブテイルバーに固定する鏡筒バンドは工具不要で開閉が可能で、前後のバランスや回転角度を簡単に調整できる。
上部の鏡筒ハンドルは、天体望遠鏡用のファインダーやガイド鏡などのアクセサリーを取り付けられる34mm幅のファインダーアリミゾと、アルカスイス互換形状のレールとなっている。
レンズ後部の接眼部には、アダプターを介してデジタル一眼レフを装着できる。付属のアダプターは、「M42 P0.75mm」「M48 P0.75mm」「M54 P0.75mm」の3種類。Askarのオプションパーツに「M54 P0.75mm」と組み合わせて使用する「M54カメラアダプター」(キヤノンEF用 / ニコンF用) があるが、これ以外のマウントで使用するには、他社製のカメラアダプターが必要となる。
Askar FRA300 Pro 主な仕様
有効径 60mm
焦点距離 300mm
口径比 F5.0
筒外焦点距離 M48アダプター後端から約67mm、M42/M54アダプター後端から約71mm
レンズ構成 エアスペース5枚玉ペッツバールアストログラフ (EDレンズ1枚を含む)
フォーカサー ラックアンドピニオン式 (減速装置付き)
全長 約303mm
鏡筒本体直径 約φ82mm
フード直径 約φ92mm
重量 3.1kg (鏡筒バンド、ドブテイルバー、アダプター含む)
付属品 M42/M48/M54アダプター3種類、フォーカサー固定ネジ、鏡筒バンド、鏡筒ハンドル、300mmドブテイルバー (底幅約44mm)