ソニーは、レンズ交換式旋回型カメラ「FR7」を2022年11月11日に発売する。映像制作用カメラ Cinema Line (シネマライン) の製品で、フルサイズセンサーを搭載し、Eマウントレンズに対応する。
希望小売価格は「FR7」ボディが1,320,000円、「FE PZ 28-135mm F4 G OSS」が付属するレンズ付属モデルが1,617,000円 (いずれも税込) となっている。
■狙い通りのカメラワークを実現する幅広い動作範囲
滑らかなパン・チルト・ズーム動作ができる旋回型カメラで、左右方向 (パン) と上下方向 (チルト) を最低0.02°/秒から最高60°/秒まで速度調整が可能。パン動作範囲は－170°から＋170°、チルト動作範囲は－30°から＋195°まで (据え置き設置の状態) と、幅広い範囲の撮影ができる。
別売りの天井取付金具「CIB-PCM1」を使用すれば、天井に設置することも可能だ。
■描写性能
有効約1030万画素の裏面照射型フルサイズCMOSイメージセンサー「Exmor R」、画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載。シネマライン共通のルックや設定により、映画的な映像表現を実現する。4K/120fpsの最大5倍スローモーション撮影、フルHDでは240fpsで最大10倍のスローモーション撮影が可能。ベースISO感度を標準の基準感度ISO 800と暗所環境用の高感度ISO 12800の2つから選択可能 (Cine EIモード時)。ISO感度は最高ISO 409600まで拡張可能だ。
■デジタル一眼カメラ“α”譲りのAF性能
像面位相差検出AFとコントラスト検出AFを併用したファストハイブリッドAFシステムを採用し、リアルタイム瞳AFとリアルタイムトラッキングを搭載。最大627点の像面位相差検出AFは、水平方向約95％、垂直方向約94％の撮像エリアをカバー。旋回型リモートカメラの機動性とファストハイブリッドAFの組み合わせにより、動きの速い被写体も高精度で滑らかにフォーカスし続ける。
■充実のカメラ機能
独自の電子式可変NDフィルターを内蔵しており、1/4NDから1/128NDまでシームレスに濃度を変更することができる。被写界深度を変えずに露出の調整が可能だ。
カードスロットは、CFexpress Type AカードとSDXCカードの両方に対応したデュアルスロットを採用する。
12G-SDI、HDMI出力に加えて、光ファイバー出力が可能なほか、LANケーブル1本でストリーミング映像・音声や制御と併せてカメラへの給電が可能なPoE++に対応している。入力は、マルチカメラ撮影に適したゲンロック入力、タイムコード入力が可能。
撮影中を示すタリーランプ (赤色/緑色) が、カメラ両側に搭載されている。
■リモート操作に対応
専用のWebアプリを搭載しており、タブレットやPCからパン・チルト・ズーム操作をリモートで行うことができる。フォーカス・録画・再生・カメラ設定などの操作も可能だ。
さらに、別売りのリモートコントローラー「RM-IP500」を使用することで、最大100台まで接続して撮影できる。「FR7」はカメラの向き・ズーム・ピント調節の位置を最大100個まで記憶できるので、使用するカメラ位置を記憶させておいて、撮影中に呼び出すといったこともできる。
ソニー FR7 主な仕様
マウント ソニーEマウント
有効画素数 約1030万画素
撮像素子 35mmフルサイズ (35.6×23.8mm) Exmor R CMOSセンサー
動画記録/圧縮方式 [XAVC Intra] MPEG-4 AVC/H.264 [XAVC Long] MPEG-4 AVC/H.264
記録媒体 CFexpress Type A / SDメモリーカード
幅×高さ×奥行き 約227×289×233mm (突起部を除く)
質量 約4.6kg (本体のみ) / 約6.0Kg (キットレンズ装着時)
付属品 ボディキャップ、HDMIケーブル固定用プレート、赤外線リモコン RMT-RC1、ACアダプター、電源コード