吉永陽一さんによる鉄道空撮写真集『空鉄 空撮鉄道旅情』が発売された。
■内容をチラ見
吉永さんは空から見る鉄道写真「空鉄」を撮り続け、15年を超えた。ドローンが急速に普及するなか、今でも空撮で狙う。全国を飛び回り、香川の人気路線である琴電や軽便鉄道路線の三岐鉄道北勢線などを訪ねたほか、蒸気機関車の今も記録する。
また、現代と過去の時間をつなぐ試みとして、古墳などと鉄路を俯瞰した風景も捉えた。近鉄奈良線は1300年前の平城宮跡を横断して走る。鉄道が建設された後に発掘調査が行なわれ、都の規模が判明したからだ。それぞれの写真にはこうした鉄道にまつわる話や、撮影時のエピソードが語られている。
空撮は約300mの高度で、時速160km程度の飛行の中で行なわれる。想像すると写真の見方が変わるはず。なかには新幹線の空撮流し撮りなんてのもある。さらにロンドン、リスボン、シアトルにも出没。日本とは全く違う光景が広がり、空鉄の味わいやその醍醐味がグンと広がる。
吉永陽一『空鉄 空撮鉄道旅情』
体裁 B5判・144ページ
価格 2,420円(税込)
発売日 2022年6月18日
発行元 天夢人
吉永陽一 (Yoichi Yoshinaga)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。約15年前から鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄 (そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の鉄道空撮写真を発表。そのほか、旅や鉄道情景、廃墟の撮影にも取り組んでいる。2021年10月『空鉄 諸国鉄道空撮記』、2022年6月『空鉄 空撮鉄道旅情』(いずれも天夢人) を刊行。日本写真家協会正会員、日本鉄道写真作家協会正会員。
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〈文〉市井康延