ニコンは、Zマウントの大口径超望遠レンズ「NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S」を2022年11月25日に発売する。希望小売価格は2,432,100円 (税込)。
「NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S」は、ニコンZシリーズ用の超望遠単焦点レンズ。フルサイズフォーマットに対応し、究極の光学性能を追求する「S-Line」に属する。レンズ後部にテレコンバーターを内蔵し、レバーを操作するだけで840mmの超望遠レンズとしても使用できる。
■高性能硝材をふんだんに使った高い光学性能
600mm F4時は、高い色収差補正力を持つED (特殊低分散) レンズ2枚、スーパーEDレンズ1枚、蛍石レンズ2枚、SR (特殊高分散) レンズ1枚をぜいたくに使った16群19枚構成。諸収差を効果的に補正し、絞り開放から画像の周辺部まで高い解像力が得られる。
内蔵の1.4倍テレコンバーターが4群7枚 (EDレンズ1枚、SRレンズ1枚) なので、レンズ全体では20群26枚となる。
また、レンズ面には高い反射防止効果のある「メソアモルファスコート」を施し、「ナノクリスタルコート」との相乗効果でゴーストやフレアを抑える。
■焦点距離を1.4倍に拡大するテレコンを内蔵
レンズ後部に焦点距離を1.4倍に伸ばすテレコンバーターを内蔵。1本のレンズで600mm、840mmの2本分の働きを持つ。右手で操作できるレンズ後部の切り替えスイッチにより、撮影姿勢はそのままに焦点距離を切り替えられる。専用設計なので、画質への影響を最小限に抑えている。
■高速・高精度のAFを実現するVCM採用
AF駆動用モーターには、強力な磁界の中をコイルのみが往復するボイスコイルモーター (VCM) を使用。このVCMにガイド機構を組み合わせた新しいAF駆動用アクチェーターである「シルキースウィフトVCM」が組み込まれている。このガイド機構はAF駆動機構内の振動を大幅に削減。静かで速いAF駆動を実現する。
このAF機構により、高速で移動する被写体を追うスポーツ撮影や航空機撮影はもちろん、静音性の高さとフォーカスブリージング (フォーカス時の画角変化) の抑制により映像制作の現場でも威力を発揮する。
■「Z 9」のシンクロVRと連動する手ブレ補正機能
5段分の手ブレ補正効果のあるVR (手ブレ補正)機 構を内蔵。「Z 9」装着時にはボディ内VRと連携する「シンクロVR」により、手ブレ補正効果を5.5段分まで高めることができる。
レンズには3つのリングが設けられており、マウント側の幅の広いものがフォーカスリング、その前にはコントロールリングがあり、先端側はFnリングとなっている。コントロールリングはカメラ側から絞りや露出補正などの機能割り当てが可能。
■Fマウントの600mmより約550gの軽量化
一眼レフ用のFマウントレンズに「AF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VR」があるが、本製品はテレコンバーターを内蔵しながら、このレンズより約550gの軽量化を果たした。さらに、重量バランスも優れており、手持ち撮影や一脚使用時にも安定した姿勢を維持できる。
レンズ鏡筒の可動部分などにホコリや水滴の浸入を防ぐシーリングを施し、レンズマウント部にはガムリングを採用することで、高い防塵・防滴・防汚性能を確保した。
NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S 主な仕様
マウント ニコンZマウント
焦点距離 600mm (内蔵テレコン使用時 840mm)
レンズ構成 20群26枚 (うち内蔵テレコン 4群7枚)
画角 4°10′ (内蔵テレコン使用時 3°)
開放絞り F4
最小絞り F32
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 4.3m
最大撮影倍率 0.14倍 (内蔵テレコン使用時 0.2倍)
フィルターサイズ φ46mm (後部組み込み式)
最大径×長さ 約φ165×437mm
質量 約3,260g
付属品 レンズキャップ LC-K107、裏ぶた LF-N1、レンズフード HK-43、ストラップ LN-3、レンズケース CL-L3