キヤノンは、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R6 Mark II」と、中望遠レンズ「RF135mm F1.8 L IS USM」、ストロボ「スピードライト EL-5」を発表した。これらのタッチ&トライができたので、その印象をお伝えしよう。
<2023.1.20> 「RF135mm F1.8 L IS USM」の発売日が2023年1月26日に決定。
<2022.12.12> 「EOS R6 Mark II」の発売日が2022年12月15日に決定。
目次
「EOS R6 Mark II」はココが進化した
「EOS R6 Mark II」は2022年12月中旬発売予定。価格はオープンで、参考価格はボディ396,000円 (税込)。
<2022.12.12> 発売日が2022年12月15日に決定。
有効画素数は「EOS R6」の約2010万画素から約2420万画素にアップした。映像エンジンは「DIGIC X」で変わっていないが、AFスピードは「EOS R6」の最速0.05秒から0.03秒へ高速化。被写体検出では新たに馬・鉄道・飛行機 (ジェット機・ヘリコプター) に対応した。
また、1回あたりの動画記録時間は「EOS R6」の29分59秒から6時間になり、クロップなしの6Kオーバーサンプリングによる4K/60P撮影に対応するなど、動画機能も強化されている。
メカシャッターのシャッター速度は1/8000〜30秒 (電子先幕設定時) と変わっていないものの、電子シャッターは1/8000〜30秒 (Tv/Mモード時は1/16000秒も設定可能) と、「EOS R6」の1/8000~0.5秒から設定範囲が大幅に広がっている。連写コマ数も電子シャッター時には「EOS R6」の最高約20コマ/秒から最高約40コマ/秒に倍増した。ローリングシャッター歪みは、ほぼ同等かやや軽減というレベルだ。さらに電子シャッターで中間コマ速の設定も可能になっている。
静止画時の常用ISO感度はISO100~102400 (拡張 ISO50・204800相当) で、「EOS R6」と同じく高感度・低ノイズとなっている。
使用頻度の高いISO感度を3件まで登録できる「プリセットISO感度」を搭載した。
「EOS R6」と同じく5軸のボディ内手ブレ補正 (IBIS) を搭載しており、手ブレ補正 (IS) 機構を搭載したRFレンズ使用時には、協調制御により最大8.0段の手ブレ補正効果を発揮する。
「EOS R6 Mark II」のホワイトバランスは、ディープラーニング技術を活用して開発したオートホワイトバランスアルゴリズムを採用する。草木や芝の判別を測光センサーで行っていた従来のEOSと異なり、緑を多く含むシーンのオートホワイトバランスが向上している。
「EOS R6 Mark II」(左) と「EOS R6」(右)。装着されているレンズが異なるので少し印象が違うが、外観上の大きな違いはない。正確には高さが「EOS R6」の97.5mmから「EOS R6 Mark II」では98.4mmになっており、重量は10g軽くなっている。
ボディ背面。操作系は大きく変わってはいない。キヤノンユーザーにはおなじみのボタンやダイヤルが並んでいる。
マルチコントローラーは、中央押しをしやすい形状に変更された。
背面の液晶モニターは「EOS R6」と同じ。3.0型・約162万ドットのバリアングル液晶モニターだ。
上面の左側に静止画/動画切り替えレバーを新設。電源スイッチは右側に移動した。
SDカードデュアルスロットを搭載する。これも「EOS R6」と変わっていない。
ボディ側面の外部入出力端子。USB Type-Cが、「EOS R6」のUSB 3.1から「EOS R6 Mark II」では3.2対応になっている。
ストロボのコネクターが、「EOS R3」にも採用されているマルチアクセサリーシューになった。外観上のもっとも大きな変更点かもしれない。
バッテリーは「LP-E6NH」で変わっていないが、省電力化により撮影可能枚数が向上。なめらかさ優先で「EOS R6」の約255枚から約320枚になっている (フル充電のバッテリーパック LP-E6NH使用・常温23℃時)。
レンズキット
■EOS R6 Mark II・RF24-105 IS STM レンズキット
標準ズームレンズ「RF24-105mm F4-7.1 IS STM」が付属する。価格はオープンで、参考価格は440,000円 (税込)。
■EOS R6 Mark II・RF24-105 L IS USM レンズキット
開放F4通しの標準ズームレンズ「RF24-105mm F4 L IS USM」が付属する。価格はオープンで、参考価格は550,000円 (税込)。
EOS R6 Mark II 主な仕様
有効画素数 約2420万画素
撮像素子 約36.0×24.0mm フルサイズCMOSセンサー
マウント キヤノンRFマウント
ISO感度 (静止画撮影時) ISO 100〜102400 (拡張 ISO 50、204800相当)
ISO感度 (動画撮影時) ISO 100〜25600 (拡張 ISO 100〜640、32000~204800相当)
シャッター速度 (静止画撮影時) [メカシャッター] 1/8000~30秒、バルブ [電子シャッター] 1/16000秒、1/8000~30秒、バルブ
シャッター速度 (動画撮影時) 1/8000~1/25秒
ファインダー 0.5型 約369万ドット 約0.76倍 OLEDカラー電子ビューファインダー
画像モニター 3.0型 約162万ドット TFT式カラー液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-II対応)
幅×高さ×奥行き 約138.4×98.4×88.4mm
質量 約588g (本体のみ) / 約670g (バッテリー、メモリーカードを含む)
大きなボケが楽しめる中望遠レンズ「RF135mm F1.8 L IS USM」
大口径中望遠レンズ「RF135mm F1.8 L IS USM」は2023年1月下旬発売予定。価格はオープンで、参考価格は338,800円 (税込)。
<2023.1.20> 発売日が2023年1月26日に決定。
開放絞りF1.8の「L (Luxury)」レンズで、レンズ内手ブレ補正により5.5段、ボディ内手ブレ補正との協調制御により8.0段の手ブレ補正効果を実現する。
レンズ鏡筒には、AF/MF切り替えスイッチ、手ブレ補正スイッチのほかに、フォーカスロックも搭載されている。重量は約935gで、ズシリとした重量感がある。
UDレンズ3枚を含む12群17枚構成で諸収差を低減し、画面全域で高画質を実現。9枚羽根の円形絞りにより、背景の点光源を丸く大きなボケで表現できる。
ASCコーティングにより、フレアやゴーストを大幅に低減。メンテナンスを容易にするフッ素コーティングも施され、防塵・防滴性能も備える。最短撮影距離は0.7m、最大撮影倍率は0.26倍だ。
RF135mm F1.8 L IS USM 主な仕様
マウント キヤノンRFマウント
焦点距離 135mm
開放絞り F1.8
最小絞り F22
画角 水平 15°00′、垂直 10°00′、対角線 18°00′
レンズ構成 12群17枚
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 0.70m
最大撮影倍率 0.26倍
フィルター径 φ82mm
最大径×長さ 約φ89.2×130.3mm
質量 約935g
フラッグシップの性能を受け継ぎつつ小型化した「スピードライト EL-5」
2023年3月発売予定の「スピードライト EL-5」。価格はオープンで、参考価格は66,000円 (税込)。
<2023.6.8> 発売日が2023年6月16日に決定。
<2023.3.9> 生産上の都合により発売日を2023年夏頃に延期。
マルチアクセサリーシューを搭載したミラーレスカメラ用クリップオンストロボで、フラッグシップモデル「スピードライト EL-1」(2021年2月発売) の基本性能を継承しながら、EOS Rシステムとの連動性の向上や小型化を実現した。「EOS R6 Mark II」にも対応する。
最大ガイドナンバー約60 (照射角200mm設定時 / ISO100・m) の大光量を達成しながら、待機時間が短いスムーズな撮影が可能だ。リチウムイオンバッテリー「LP-EL」が使用可能で、発光可能回数は約350回を実現する。
スピードライト EL-5 主な仕様
最大ガイドナンバー 約60 (照射角200mm設定時 / ISO100・m)
照射角 レンズ焦点距離24~200mm (ワイドパネル使用時14mm) の撮影画角に対応
バウンス 上 120°、下 7°、左右 180°
発光間隔 通常発光 約0.1~1.2秒、クイック発光 約0.1~1.0秒
発光回数 約350~2450回
電源 バッテリーパック LP-EL (単3形アルカリ乾電池 / ニッケル水素電池使用不可)
幅×高さ×奥行き 約80.2×139.9×123.3mm
質量 約491g (本体のみ)
付属品 ケース、ミニスタンド、バッテリーパック、取り付け脚カバー