富士フイルムは、APS-Cミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T5」と標準マクロレンズ「フジノンレンズ XF30mmF2.8 R LM WR Macro」を2022年11月25日に発売する。さっそく触ることができたのでレポートしよう。
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Xシリーズの原点 “小型・軽量・高画質” にこだわった「FUJIFILM X-T5」
「X-T5」は、Xシリーズの原点である “小型・軽量・高画質” にこだわり、写真撮影を最優先に設計された。カラーはシルバーとブラックの2色。価格はオープンで、参考価格はボディ257,400円 (税込)。
Xシリーズ第5世代となる裏面照射型の有効約4020万画素「X-Trans CMOS 5 HR」センサー、高速画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載。従来モデル「X-T4」の有効約2610万画素から画素数が大幅にアップしている。
感度は常用でISO125~12800。「X-T4」(常用ISO160~12800) の拡張感度だったISO125を常用感度として利用できるようになった。重さは「X-T4」から約50gの軽量化を実現した約557gで、大きさも小型化された。
動物や鳥をAIで検出できる被写体検出AF、最短約0.02秒の高速AFも備えた。ボディ内手ブレ補正はセンサーシフト方式の5軸で、補正力は「X-T4」の最大6.5段から7.0段にアップした。ボディ内手ブレ補正機能を活用した「ピクセルシフトマルチショット」では、1回のシャッターで20枚の画像を取得し、専用ソフトウェア「Pixel Shift Combiner」で処理することで、約1億6千万画素の超高解像な画像を生成することができる。
背面の液晶モニターは3方向のチルト式。縦位置やウエストレベルでの撮影ができる。モニターを横方向に開くには、左枠中央にあるボタンを押す必要がある。
ボディはコンパクトになっているが、操作系は「X-T4」から大きな変更はない。上面の左にISO感度ダイヤル、シャッターボタンの手前にシャッタースピードダイヤルと露出補正ダイヤルを配置した3ダイヤルオペレーションで、目視で確認しながら確実に操作できるようになっている。電子シャッターの最速シャッタースピードは1/180,000秒で、「X-T4」の1/32000秒から約2.5段分拡張されている。
ボディ側面のインターフェイス。上からマイク用ステレオミニジャック、リモートレリーズ端子、USB Type-C端子 (USB3.2 Gen2 ×1)、HDMIマイクロ端子 (Type D)。
カードスロットは、SDメモリーカード (UHS-II) 対応のデュアルスロット。6.2K/30P 4:2:2 10bitでのカメラ内SDカード記録に対応しており、6.2Kのデータから4K映像を生成する「4K HQ」モードを搭載する。
アスペクト比には新たに4:3と5:4を搭載。3:2 / 16:9 / 1:1と合わせて5種類から選択することができる。記録画素数はそれぞれL / M / Sの3種類を設定できる。
フィルムシミュレーションモードは「ノスタルジックネガ」を加えて19モードになっている。
電源は「X-T4」と同じリチウムイオンバッテリー「NP-W235」を採用。「X-Processor 5」の低電力化によって、撮影可能枚数は「X-T4」の約600から約740枚へと大幅に増加している。
FUJIFILM X-T5 XF18-55mmレンズキット
標準ズームレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」が付属する。価格はオープンで、参考価格は317,900円 (税込)。
FUJIFILM X-T4 主な仕様
カラー シルバー、ブラック
有効画素数 約4020万画素
撮像素子 23.5×15.7mm (APS-Cサイズ) X-Trans CMOS 5 HRセンサー (裏面照射型)
マウント 富士フイルムXマウント
ISO感度 ISO 125~12800 (拡張 ISO 64 / 80 / 100 / 25600 / 51200)
ファインダー 0.5型 約369万ドット 有機ELファインダー (倍率 0.80倍 / アイセンサー付き)
画像モニター 3.0型 約184万ドット チルト式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I/II、ビデオスピードクラスV90対応)
幅×高さ×奥行き 129.5×91×63.8mm (最薄部奥行き 37.9mm)
質量 約476g (本体のみ) / 約557g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 充電式バッテリー NP-W235 (リチウムイオンタイプ)、ACパワーアダプター AC-5VJ、プラグアダプター、専用USBケーブル、ヘッドホン用アダプター、ショルダーストラップ、ボディーキャップ、ホットシューカバー、シンクロターミナルカバー
1.2cmまで寄れる等倍マクロ「フジノンレンズ XF30mmF2.8 R LM WR Macro」
Xシリーズ用の交換レンズ「フジノンレンズ XF30mmF2.8 R LM WR Macro」は、「X-T5」と同じ2022年11月25日発売。35mm判換算46mm相当で、自然な遠近感のあるポートレート撮影やスナップ撮影もできる標準マクロレンズだ。希望小売価格は97,900円 (税込)。
「X-T5」に装着した「XF30mmF2.8 R LM WR Macro」。長さ約69.5mm、質量約195gのコンパクト設計で、高い機動力を発揮する。
非球面レンズ3枚とEDレンズ2枚を含む9群11枚構成。最短撮影距離は10cmで、レンズ先端から最短約1.2cmまで被写体に近づいて撮影することができる。最大撮影倍率は1倍 (35mm判換算 1.5倍相当) を実現しており、等倍マクロ撮影が楽しめる。AF駆動にはリニアモーターを採用し、インナーフォーカス方式により高速・高精度なAFが可能だ。
フジノンレンズ XF30mmF2.8 R LM WR Macro 主な仕様
マウント 富士フイルムXマウント
焦点距離 30mm (35mm判換算 46mm相当)
レンズ構成 9群11枚 (非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚)
画角 50.7°
開放絞り F2.8
最小絞り F22
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.1m
最大撮影倍率 1倍
フィルター径 φ43mm
最大径×長さ 約φ60×69.5mm
質量 約195g
付属品 レンズフロントキャップ FLCP-43、レンズリアキャップ RLCP-001、レンズフード、ラッピングクロス