草彅裕さんの写真集『水を伝う 玉川毒水』が発売された。
生命の源と言われる水だが、こと秋田の玉川では様相が異なるようだ。強酸性水により、約8割の流域は生物を寄せ付けない死の川となっていた。水対策は江戸時代から行なわれ、今、下流域では多様な生き物が生息する。
草彅さんはこの川を伝い、その姿と変化を写真に記録してきた。水が湧き出す源流は神秘的で、硫黄が結晶化した岩肌を縫って流れる水や、光の中で踊るかのような水滴、紋様はきらめきを放つ。
草彅裕写真集『水を伝う 玉川毒水』
体裁 B5判変型・176ページ
価格 2,750円(税込)
発売日 2022年12月21日
発行 クレヴィス
草彅 裕 (Yu Kusanagi)
秋田県仙北市出身。東北芸術工科大学大学院芸術工学研究科デザイン工学専攻修了。大学在学中に写真家・民俗学者の内藤正敏氏と出会い、本格的に写真を始める。現在は生まれ育った秋田県内の自然や風土を、写真でしか捉えることのできない不可視の「瞬間と循環」をテーマとして撮影。秋田を拠点に国内外で多数の個展、グループ展において発表を続けている。主な受賞歴に、2005年 (第33回) 日本広告写真家協会公募展 文部科学大臣奨励賞、2010年度 (第33回) キヤノン「写真新世紀」佳作 (蜷川実花選)、2019年 (第2回) キヤノン「SHINES」(梶川由紀選) など。写真集に『SNOW』『PEBBLES』がある。
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〈文〉市井康延