キヤノンが新たに立ち上げたプロジェクト「GRAPHGATE (グラフゲート)」の募集がスタートした。受付はWEBサイトからのみで、締切は2023年6月30日。
写真・映像作家の登竜門として、これまでとは違う場づくりを試みる。「公募やコンテストではなく、GRAPHGATEはオーディションです」と運営担当のキヤノンマーケティングジャパン・新保朋也さんは話す。
かつて写真が表現として多くの人から注目されていた時代には、分野の垣根を越えたムーブメントがあった。それが新たな才能を呼び、これまでにない表現を生んだ。
選考委員には映像プロデューサー、アートディレクター、キャスターなどの5名を選んだ。写真界の基準ではなく、外部の眼で作家の才能を見極めることを重視したからだ。「審査員は豊富な人脈を持つ方々で、そこにも期待しています」と新保さんは言う。本企画の前身の一つ「SHINES」では審査員に認められた写真家が、その導きで活動の幅を大きく広げた実例がある。
グランプリと優秀賞受賞者は賞金と個展の開催権に加えて、3年間、キヤノン製品 (カメラ・レンズなどの撮影機材) を無償で借りることができる。新進作家としては賞品より、制作に役立つサポートに違いない。
なお、応募の年齢制限はなし。門戸は広く開かれている。自らの可能性を試そう。
キヤノン GRAPHGATE 募集概要
募集締切
2023年6月30日 (金)
賞
グランプリ
賞金100万円、キヤノンギャラリーSでの写真展開催、3年間にわたりキヤノンの撮影機材を自由に貸し出し、プリンター+消耗品セット、キヤノンスタッフによるテクニカルサポート
優秀賞
賞金30万円、キヤノンギャラリー銀座/大阪での写真展開催、33年間にわたりキヤノンの撮影機材を自由に貸し出し、プリンター+消耗品セット、キヤノンスタッフによるテクニカルサポート
佳作
賞金5万円、3年間にわたりキヤノンの撮影機材を自由に貸し出し、プリンター+消耗品セット、キヤノンスタッフによるテクニカルサポート
応募資格
- 年齢、経験 (プロ・アマチュア) 不問。
- 日本国内在住で、日本語でコミュニケーションが取れる個人に限る。
応募形態
- 写真作品は30点以上 (上限なし) のJPEGデータ、映像作品は30秒以上2分以内のMP4/H.264データ。いずれも容量は1GBまで。写真のサイズは2400×2400pixel以上を推奨。
- 画像の合成・コラージュ等の加工可。
- カラー、モノクロいずれも可。
- 撮影機材、プリント機材等のメーカー不問。スマートフォンでの撮影可。フィルムカメラ作品のスキャンデータでの応募可。
応募規定
- 1人1作品まで応募可。
- 既発表作品の応募可。
応募方法
WEBサイトの応募フォームに必要事項を入力のうえ、作品データを送信。写真作品は「ピープル」「ネイチャー」「クリエイティブ」ジャンルのいずれかを選択。映像作品は「ムービー」ジャンルを選択。
応募料
無料
審査員
梶川由紀 (キュレーター / 何必館・京都現代美術館)、品川一治 (映像プロデューサー / 株式会社トボガン代表)、千原徹也 (アートディレクター / 株式会社れもんらいふ代表)、長野智子 (キャスター / ジャーナリスト)、藤森三奈 (編集者・チーフプロデューサー / 株式会社文藝春秋『Sports Graphic Number』)、キヤノンマーケティングジャパン株式会社
審査方法
一次選考 : データ審査
二次選考 : プレゼンテーション審査 (2023年9月予定)
グランプリ選考会 (一般公開) : プレゼンテーション、質疑応答 (2023年11月予定)
発表
優秀賞・佳作 : 二次選考終了後、受賞者へ直接通知
グランプリ : グランプリ選考会後の表彰式で発表
GRAPHGATE展2023
二次選考で決定した優秀賞作品、佳作者のポートフォリオを、2023年11月ごろにキヤノンオープンギャラリーで展示予定。
URL
https://cweb.canon.jp/event/photo/graphgate/
〈文〉市井康延