ライカカメラ社が国内で2023年6月3日に発売するコンパクトデジタルカメラ「ライカQ3」をさっそく触ることができたので、その使用感をお届けしよう。
「ライカQ2」と同じ大口径28mm単焦点レンズを搭載
「ライカQ」シリーズは、単焦点レンズを搭載する35mmフルサイズコンパクトデジタルカメラ。第3世代となる「ライカQ3」は、「ライカQ2」と同じ「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」を搭載する。外観のデザインは前モデルを踏襲し、イメージやスタイルは大きく変わらない。価格は902,000円 (税込) となっている。
最短撮影距離17cmのマクロモードを搭載している。また、単焦点レンズながらデジタルズーム機能を使うことでクロップ撮影が可能。28mm、35mm、50mm、75mm、90mm相当の画角を選ぶことができる。光学式手ブレ補正も搭載されている。
3種類の記録画素数を選択可能
トリプルレゾリューション技術を取り入れた新しい裏面照射型CMOSセンサーを採用し、6000万画素、3600万画素、1800万画素の3種類の記録画素数を選んでRAW (DNG形式)・JPEGで画像を記録できる。どの記録画素数を選んだ場合も、撮像素子の全域を使ったフルサイズでの撮影となる。
ISO感度はISO 50～100000の範囲での設定が可能。シリーズ最新世代の画像処理エンジン「LEICA MAESTRO (ライカ・マエストロ)」を搭載し、動作速度も向上した。ファインダーは576万ドットの新しい有機ELファインダーを採用。バッファメモリーは8GBを搭載する。
AF性能
コントラスト検出方式に加えて、位相差検出方式と空間認識 (DFD) 技術を追加した「ハイブリッドオートフォーカスシステム」を新たに採用したことで、AF性能も大幅に進化。コントラスト検出方式、位相差検出方式、DFD技術とインテリジェントな物体認識技術を組み合わせたAFシステムにより、高速・高精度なピント合わせや被写体追尾を実現する。
チルト式液晶モニターを採用
高精細3.0型のタッチパネル液晶を採用した液晶モニターは、新しい機構によるチルト式を採用する。
ボディはレザー外装を施したマグネシウムダイカスト製で、質量約743g (バッテリーを含む)。大きさは幅130×高さ80.3×奥行92.6mmで、防塵・防滴性能は「ライカQ2」と同じIP52相当を確保している。
HDMI端子とUSB Type-C端子を採用
ボディ左側面に、新たにHDMI端子とUSB Type-C端子を搭載した。これにより、ジンバルやモバイルバッテリー、外部ディスプレイレコーダーなどの周辺機器の接続が可能になっている。USB Type-C端子を活用すれば「Capture One」や「Adobe Photoshop Lightroom」でのテザー撮影もできるようになった。動画撮影では8K動画を記録できるようになったほか、H.265やApple ProResにも対応する。
専用バッテリー「BP-SCL6」はUSB充電可能となっている。
ボディ底面。バッテリー室 (左) とは別にSDカードスロット (右)が設けられている。バッテリーは、レバー操作で浮き上がったバッテリーをワンプッシュしないと取り出せない。不用意に脱落しないような構造になっている。
専用アクセサリーもかなり魅力的
■ワイヤレス充電が可能なハンドグリップ
「ライカQ3」の専用アクセサリーとして登場するハンドグリップ「HG-DC-1」とワイヤレスチャージャー「XL」で、ワイヤレス充電を実現する。ハンドグリップ「HG-DC-1」は28,600円、ワイヤレスチャージャー「XL」は26,400円 (いずれも税込)。
■レトロなデザインのアクセサリーでドレスアップが可能
レンズフード、サムレスト、レリーズボタン、ホットシューカバーが新たに登場した。真鍮カラーのブラス、ブラック、シルバーの3種類のカラーバリエーションが用意されている。
アクセサリーを装備してドレスアップした「ライカQ3」 (左)。右の「ライカQ3」も角形レンズフードが装着されている。
ホットシューカバーはブラス (真鍮) が6,600円、ブラックとシルバーが各6,050円。レンズフードとサムレストはブラスが36,300円、ブラックとシルバーが各34,100円。レリーズボタンはブラスが、11,000円、ブラックとシルバーが各10,450円 (いずれも税込)。
このほか、「ライカQ3」用のカメラプロテクター、ストラップ (ブラック、コニャック、オリーブグリーンの3色) が用意されている。
ライカ専用アプリ「Leica FOTOS」へのデータ転送が高速化
通信技術MIMO (Multiple Input Multiple Output) に対応し、ライカ専用アプリ「Leica FOTOS」へのデータ転送速度が「ライカQ2」に比べて約10倍の高速化を実現。さらに「Leica FOTOS」を経由して、動画データをモバイル機器へ転送できるようになったほか、5種類の「Leica Looks」を「Leica FOTOS」からダウンロードできるようになっている。また、接続モードを「エコモード」や「ハイパフォーマンスモード」に設定することが可能だ。
Leica Q3 主な仕様
有効画素数 6030万画素
撮像素子 フルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサー
レンズ ライカズミルックス 28 f/1.7 ASPH. (9群11枚、非球面レンズ3枚)
ISO感度 ISO 50〜100000
シャッター速度 メカシャッター 1/2000秒〜120秒、電子シャッター 1/16000秒〜1秒
ファインダー 576万ドット 0.79倍 電子ビューファインダー
画像モニター 3.0型 184万3200ドット チルト式TFT液晶モニター (タッチパネル)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-II対応)
幅×高さ×奥行き 130.0×80.3×92.6mm (突起部を除く)
質量 約658g (本体のみ) / 約743g (バッテリーを含む)
付属品 キャリングストラップ、レンズフード、レンズキャップ、化粧リング、ホットシューカバー、FOTOS 用ケーブル USB-C (1m)、バッテリー BP-SCL6、バッテリーチャージャー BC-SCL4