東京・品川のキヤノンギャラリーSで、浅田政志さんの写真展「Canon Colors」が開幕した。キヤノンギャラリーの開設50周年を記念して開催する「キヤノンギャラリー50周年企画展」の第2弾だ。
作品は、全国のさまざまな地域や部門で働いているキヤノンの社員15名を、浅田さん独自の視点で捉えたもの。被写体となった社員にとって思い出のあるカメラやレンズを使用して浅田さんが撮影した写真と、生い立ちや会社での生活をまとめた文章を交えた展示になっている。
思い出のカメラやレンズはアクリルケースに入れられ、作品の脇に展示されている。ケースの数字は撮影した作品の撮影データ (シャッター速度・絞り値・ISO感度) だ。
キヤノンギャラリーSでの写真展の開催が決まって、「さあ何を撮ろうか」となったとき、浅田さんは愛用している「EOS R5」の故郷を訪ねてみたい、そしてキヤノンの社員を撮影したいと思い立った。「頼もしい相棒を届けてくれた方々にぜひともお会いしてみたい」「みなさんが働いているところに行って、相棒に故郷を見せてあげよう」と考えたのだそうだ。
懐かしいフィルムカメラ「Dial 35」も展示されていた。会場全体が、作品とカメラとそれにまつわるストーリーのコラボを楽しめる空間になっている。
撮影は2022年11月頃からスタートして、桜の咲く時期まで続けられた。最後に撮影された作品は、桜の前でヨガのポーズをする企画本部サスティナビリティ推進部部長と、団子をほおばりながらそれを見守る部下というワンシーンだ。
全国各地のさまざまな部署で働く人たちの豊かな表情が、浅田さんらしい視点で捉えられている作品群。どんな文章が添えられているか、どんな機材が展示されているかは会場で確かめよう。よく見ると、ちゃっかり浅田さんが写り込んでいたりもする。
浅田さん愛用のプリンター「imagePROGRAF PRO-G1」と、これまで2年余りの間に撮影してきた人たちのプリントが一緒に展示されていた。
プリンターには、キヤノンのカメラ初号試作機「KWANON (カンノン)」のロゴをデザインしたプレートが取り付けられている。浅田さんは、愛機「EOS R5」のペンタ部にも「KWANON」のロゴを取り付けているそうだ。
浅田さんの演出によるフォトスポットでは、「KWANON」ロゴをバックに記念撮影ができる。
浅田さんの写真展は、2023年7月4日からキヤノンギャラリー銀座・大阪でも開催される。銀座では浅田さんの最新シリーズ「私の家族」の作品を都内で初めて展示。大阪では品川同様にキヤノン社員15名を捉えた作品を展示するほか、浅田さんのペンダントや額縁など私物コレクションが展示される。
会期中にはトークイベントも予定されている。どんな話が聞けるのか楽しみだ。
キヤノンギャラリー50周年企画展 : 浅田政志写真展
品川「Canon Colors」
会期 2023年6月24日 (土) ~8月7日 (月)
会場 キヤノンギャラリーS
住所 東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー1F
時間 10:00〜17:30
休館日 日曜・祝日
入場料 無料
問い合わせ キヤノンギャラリーS (TEL 03-6719-9021)
銀座「私の家族」
会期 2023年7月4日 (火) ~15日 (土)
会場 キヤノンギャラリー銀座
住所 東京都中央区銀座3-9-7
時間 10:30〜18:30
休館日 日曜・月曜・祝日
入場料 無料
問い合わせ キヤノンギャラリー銀座 (TEL 03-3542-1860)
大阪「Canon Colors+一点」
会期 2023年7月4日 (火) ~15日 (土)
会場 キヤノンギャラリー大阪
住所 大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト1F
時間 10:00〜18:00
休館日 日曜・月曜・祝日
入場料 無料
問い合わせ キヤノンギャラリー大阪 (TEL 06-7739-2125)
関連イベント
スペシャルトークイベント
日時 2023年7月8日 (土) 13:30~14:30
会場 キヤノンホールS (東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー3F)
定員 先着150名
参加費 無料
申し込み WEBサイトより
https://canon.jp/personal/experience/gallery/archive/asada-50th-sinagawa
ギャラリートーク
日時 2023年7月8日 (土) 20:00~21:00
会場 キヤノンギャラリー銀座
定員 会場参加15名 (オンライン参加は制限なし)
参加費 無料
申し込み WEBサイトにて後日発表
https://canon.jp/personal/experience/gallery/archive/asada-50th-sinagawa
浅田政志 (Masashi Asada)
1979年、三重県生まれ。日本写真映像專門学校研究科を卒業後、スタジオアシスタントを経て独立。2009年、写真集『浅田家』(赤々舎) で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。2020年には『浅田家』『アルバムのチカラ』(赤々舎) を原案とした映画『浅田家!』が公開され、話題を呼んだ。同年、10年ぶりとなる新作『浅田撮影局 まんねん』(青幻舍)、『浅田撮影局 せんねん』(赤々舎) を発表。新作個展「浅田撮影局」をPARCO MUSEUM TOKYO、「だれかのベストアルバム」を水戸芸術館で開催した。
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