キヤノンは、RFマウントの超広角ズームレンズ「RF10-20mm F4 L IS STM」を2023年10月27日に発売する。価格はオープン。参考価格は376,200円 (税込)。
「RF10-20mm F4 L IS STM」は、フルサイズセンサー対応の超広角ズームレンズ。RFマウントにはすでに「RF14-35mm F4 L IS USM」があるが、ワイド端を14mmから10mmに大きく広げ、開放絞り値はF4を維持し、質量はほぼ同じ約570g (RF14-35mmは約540g) に収めている。大きな違いは、「RF14-35mm F4 L IS USM」は77mm径のフィルターを使用可能だが、「RF10-20mm F4 L IS STM」は、フロントにフィルター取り付けはできず、後部にゼラチンフィルターを取り付ける方式がとられている。
■機動性に優れた小型・軽量設計
デジタル一眼レフカメラ用のEFマウントには、「EF11-24mm F4L USM」があったが、手ブレ補正機構は内蔵せず、質量も約1,180gと重かった。RFマウントの特長である大口径・ショートバックフォーカスを生かした設計により、この「RF10-20mm F4 L IS STM」では質量は約570gまで軽量化され、全長も約132mmから約112mmまで短縮された。
■超広角撮影とズーム全域での高画質を実現
レンズ構成は12群16枚。先端のレンズは前方に出っ張った非球面レンズを採用。いわゆる「出目金」で、この前玉を守るように花形フードが一体化されている。ズーム全域で色収差を補正し、色にじみの少ない高画質を実現するため、蛍石と同等の効果を持つスーパーUDレンズ1枚、UDレンズ3枚、非球面レンズ3枚を効果的に配置する。
また、光学系の各部に、特殊コーティングSWCやASCを施し、フレアやゴーストを大幅に低減、クリアな描写が得られる。
■広角特有のブレの補正も行なう
レンズに搭載された光学式手ブレ補正機構により5.0段、ボディ内手ブレ補正機構との協調制御により「EOS R3」装着時には6.0段の手ブレ補正効果が得られる。さらに、広角特有の画像周辺のブレを改善する周辺協調制御にも新たに対応し、夜景撮影などの手ブレが生じやすいシーンでも効果的にブレを補正する。
■AF機構も進化
AF駆動にはリードスクリュータイプのSTM (ステッピングモーター) が採用され、位置検出センサーも搭載された。この組み合わせにより、電源ON時にフォーカスレンズがリセットされず、起動時間が短縮された。
フォーカスレンズの軽量化や移動ストロークの削減により、高速AFを実現。STMにより動画撮影時のなめらかなAF駆動も実現している。
■高い防塵・防滴性能
マウント部、コントロールリング、フォーカスリングなどにシーリングを用いた防塵・防滴構造を採用。Lレンズならではの高い信頼性を確保する。
作例
Canon RF10-20mm F4 L IS STM 主な仕様
マウント キヤノンRFマウント
焦点距離 10〜20mm
レンズ構成 12群16枚 (スーパーUDレンズ1枚、UDレンズ3枚、非球面レンズ3枚)
開放絞り F4
最小絞り F22
画角 130°25′〜94° (対角線)
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 0.25m
最大撮影倍率 0.12倍 (20mm時)
フィルター径 なし (後部ゼラチンホルダーに差し込み)
最大径×長さ 約φ83.7×112mm
質量 約570g
付属品 レンズキャップ 10-20、レンズダストキャップ RF (リアキャップ)、レンズケース LP1219