2023年11月24日と25日 (現地日付) の2日間、オーストリア・ウィーンで第43回「Leitz Photographica Auction」が開催される。それに先立ち、オークションの目玉となる出品予定品をお披露目する内覧会が、東京・銀座のライカプロフェッショナルストア東京で開催された。
43回目を数える国際的な写真関連用品と写真のオークション
「Leitz Photographica Auction」」(ライツ・フォトグラフィカ・オークション) は、年に2回、オーストリア・ウィーンとドイツ・ウェッツラーで交互に開催される国際的な写真関連用品のオークション。これまで20年にわたって開催されており、出品数は累計で約250万点に及ぶ。第40回オークションでは、試作機にあたる0号機「Leica 0-Series no.105 ‘Oscar Barnack’」が1,440万ユーロ (手数料込) で落札され、カメラの落札額として世界最高額を記録したことでも話題を集めた。
ユル・ブリンナー所有の「ライカMPブラック」が2台連番で出品
往年のハリウッドスターとして知られるユル・ブリンナー氏が所有していた「Leica MP black paint」が今回の目玉の一つ。全世界で141台だけ生産された希少なブラックペイントモデルの中の2台で、しかもシリアルナンバーが「59」と「60」の連番ということでも注目を集めている。このオークションで、連番の「ライカMP」が出品されるのも初めてなのだそうだ。
ライカ銀座店2階にあるライカプロフェッショナルストア東京とライカギャラリー東京では、ユル・ブリンナー写真展「Yul Brynner’s Photography : An Extraordinary Vision」を開催中で、ユル・ブリンナー氏が撮影したハリウッドスターたちの写真やプライベートショットも見ることができる。
内覧会には、ユル・ブリンナー氏の長女のヴィクトリア・ブリンナーさんと孫のユージーン・ブリンナーさんも来場した。
シリアルナンバー700027 (27台目) の「ライカM3」。レンズは初期型の「Summicron 2/5cm」が装着されている。エルンスト・ライツ家のGünther Leitz (ギュンター・ライツ) 氏が所有していたもの。入札は10万ユーロから。
造形作家としても活動しているKen Narula (ケン・ナルラ) 氏が所有していた「ライカM2 ブラック」。こちらも連番での出品で、入札はセットで8万ユーロから。
世界で31台のみの、オリーブカラー塗装を施した軍用仕様の「ライカM4 オリーブ」。レンズは「Elmar 2.8/50mm」を装着しており、ITOOYフードとレザーケースがセットになっている。入札は10万ユーロから。
希少なレンズや著名写真家の作品も出品
ライカレンズ「Telyt 6/80cm」のプロトタイプ。世界で確認されている唯一のもので、ライツ博物館所蔵。入札は10万ユーロから。
レンズ上にビューファインダーを装着し、2本の木製ハンドルを備えた特徴的なレンズ。航空機内から撮影するためのもので、ドイツ空軍向けにアストロベルリン社が開発した。「ライカIII」と組み合わせて出品される。入札は8万ユーロから。
オークションには写真作品も出品される。ユル・ブリンナー氏が撮影した作品をはじめ、ルネ・ブリ氏、セバスチャン・サルガド氏など著名な写真家の作品が並ぶ。日本人写真家から鋤田正義氏、浅野喜市氏の作品も出品される。
第43回「ライツ・フォトグラフィカ・オークション」はオンラインや電話で入札が可能。ライブ配信も予定されている。出品アイテムはWEBサイトで確認することができる。
第43回 ライツ・フォトグラフィカ・オークション
https://www.leitz-auction.com/