ソニーは、フルサイズ対応のEマウントレンズ「FE 300mm F2.8 GM OSS」を2024年2月2日に発売することを発表した。価格はオープン。市場推定価格は約940,000円 (税込)。日本での予約開始は、2023年11月16日10時より。
「FE 300mm F2.8 GM OSS」は、2023年1月18日に開発発表が行われたEマウント用の大口径望遠レンズ。今回、正式に発売が発表された。すでに発売されている「FE 400mm F2.8 GM OSS」「FE 600mm F4 GM OSS」と同様、“Gマスター” ならではの優れた解像性能と自然なボケ描写を目指して設計された。また、一眼レフ用の300mm F2.8レンズは各社から発売されていたが、本製品はミラーレスカメラ用に設計された初の “サンニッパ” (300mm F2.8単焦点レンズ) となっている。
■高い解像性能と優れたボケ描写
レンズ構成は17群21枚 (フィルター1枚を含む)。ED (特殊低分散)ガラス1枚、スーパーEDガラス3枚を使用し、大口径望遠レンズで発生しがちな軸上色収差や画面周辺の解像低下につながる倍率色収差をしっかりと抑えた。“Gマスター” 仕様の高度な光学設計により、画面の隅々まで高い解像性能を見せる。
レンズ各面にはソニー独自のナノARコーティングIIを採用。鏡筒内面の反射率を低減する設計を取り入れ、フレアやゴーストの発生を抑制している。また、絞り羽根は11枚。どの絞り値でもなめらかな円形のボケが得られる円形絞りとなっている。
■2基のリニアモーターで高速・高精度AFを実現
高効率で高推力なXD (extreme dynamic) リニアモーターの搭載と優れた制御アルゴリズムの組み合わせにより、応答性を高め、大口径フォーカスレンズ群を駆動させる際に発生しやすい駆動遅延や微振動を抑え、静かで高速なAFを実現している。「α9 III」との組み合わせでは、最高約120コマ/秒のAF/AE追従の高速連写に対応する。
■テレコンバーター装着時も高いAF性能を発揮
別売りとなるソニーのEマウント用テレコンバーター「SEL14TC」(1.4倍)、「SEL20TC」(2.0倍) 装着時も、高速・高精度なAF性能を発揮する。
■優れた操作性と高い機動性
鏡筒内部にはマグネシウム合金製部品を使用し、高い堅牢性と軽量化を両立させた。質量は約1,470g (三脚座を除く) と軽く、レンズ前方が重くならないような光学エレメントの配置により、重量バランスも良好。流し撮りなどの回転運動に対する慣性モーメントも低減している。
レンズ左側面にはスイッチ類を縦に配置。フォーカスモードスイッチ、フルタイムDMFスイッチ、フォーカスレンジリミッター、手ブレ補正スイッチ、手ブレ補正モードスイッチが並ぶ。フォーカスリングの前寄りは太くなっており、その先の上下左右4か所にフォーカスホールドボタンを設けている。
■光学式手ブレ補正機構を搭載
光学式手ブレ補正機構を搭載し、手持ち撮影時でもシャープな画像を確保する。手ブレ補正には3つのモードを用意。フレーミングの安定性を重視して手ブレ補正のアルゴリズムを最適化したMODE3が設けられている。
■防塵・防滴に配慮した設計
屋外での撮影やスポーツ撮影の使用に耐えるよう、高い防塵・防滴性能を発揮する設計を採用。可動部やスイッチ・ボタン類にはシーリングが設けられている。また、レンズ最前面には撥水・撥油効果の高いフッ素コーティングを施し、汚れの付着を防ぎ、付着した際にも簡単に拭き取ることができる。
さらに、大型のレンズフードが付属。軽量化と高い強度を両立させたエンジニアリングプラスチック製の専用フードで、内部には植毛を施し、遮光効果を高めている。固定方法はロックボタン式で、着脱を素早く行える。
SONY FE 300mm F2.8 GM OSS 主な仕様
型名 SEL300F28GM
マウント ソニーEマウント
焦点距離 300mm (APS-Cカメラ装着時の35mm判換算 450mm相当)
開放絞り F2.8
最小絞り F22
画角 (対角) 8°10′ (APS-Cカメラ装着時 5°20′)
レンズ構成 17群21枚 (フィルター1枚を含む)
絞り羽根枚数 11枚 (円形絞り)
最短撮影距離 2m
最大撮影倍率 0.16倍
フィルター径 40.5mm (後部差し込み式)
最大径×長さ φ145×265mm
質量 約1,470g (三脚座を除く)
付属品 フード ALC-SH175、三脚座、レンズフロントキャップ、レンズリアキャップ、ソフトケース、レンズストラップ、差し込みフィルター