ニコンが、フルサイズミラーレスカメラ「Z 8」のファームウェアVer.2.00を2024年2月7日に公開した。
発売以降初の大型アップデートとなり、機能が大幅に強化された。被写体検出「鳥」モードや、「オートキャプチャー」「ピクセルシフト撮影」などが追加されている。
変更内容は以下のとおり。
ニコン Z 8 ファームウェア C:Ver.2.00
静止画撮影関連
- [静止画撮影メニュー] に [ピクセルシフト撮影] を追加。
- ピクチャーコントロールに新しい項目 [フラットモノクローム] [ディープトーンモノクローム] [リッチトーンポートレート] を追加。
- [静止画撮影メニュー] > [AF時の被写体検出設定] に [鳥] を追加。
- 拡大表示の倍率を、最大400%まで拡大可能に。
- [静止画撮影メニュー] に [オートキャプチャー] を追加。キャプチャー条件として [モーション] (被写体の動く方向)、[距離] (被写体を認識する遠近の範囲)、[被写体検出] (被写体を検出するかどうか) を設定し、設定した条件でカメラが被写体を認識すると自動で連続撮影を行う。
※キャプチャー条件 [距離] は、NIKKOR Zレンズ装着時に使用可能。NIKKOR Zレンズ以外では動作しない場合がある。
※撮像範囲は [FX (36×24)] または [DX (24×16)] を使用可能。 - [ハイスピードフレームキャプチャー+] 撮影時にプリキャプチャー機能を使用する場合、プリキャプチャー機能がキャンセルされるまでの時間が30秒から300秒に延長。
- [静止画撮影メニュー] > [副スロットの機能] で [JPEG+JPEG分割記録] 選択時の画像サイズ設定に [サイズ L] を追加。
- オートブラケティング撮影時に選択できる補正ステップ幅を追加。
※[オートブラケティングのセット] を [AE・フラッシュブラケティング] [AEブラケティング] [フラッシュブラケティング] のいずれかに設定している場合。この変更は [インターバルタイマー撮影] > [オプション] > [AEブラケティング] > [補正ステップ] にも適用される。
動画撮影関連
- ピクチャーコントロールに新しい項目を追加。
- [動画撮影メニュー] > [AF時の被写体検出設定] に [鳥] を追加。
- 拡大表示の倍率を、最大400%まで拡大可能に。
- [動画撮影メニュー] に [オートキャプチャー] を追加。キャプチャー条件として [モーション] (被写体の動く方向)、[距離] (被写体を認識する遠近の範囲)、[被写体検出] (被写体を検出するかどうか) を設定し、設定した条件でカメラが被写体を認識すると自動で連続撮影を行う。
※キャプチャー条件 [距離] は、NIKKOR Zレンズ装着時に使用可能。NIKKOR Zレンズ以外では動作しない場合がある。
※撮像範囲は [FX] または [DX] を使用可能。 - N-Log動画撮影時、[ISO感度設定] > [Mモード時のISO感度] に低感度を追加。
- ハイレゾズーム速度の設定内容を変更。
- スローモーション動画機能を追加。
再生関連
- 動画再生時のiメニュー項目に [再生の速度] を追加。
- [再生メニュー] に [縦横位置情報の記録] を追加。
- [再生メニュー] > [グループ再生の設定] に [自動連続再生の設定] を追加。
- 再生時のiメニュー項目 [送信指定 (PC)] [送信指定 (FTP)] の機能を変更。また、同メニュー項目に [優先送信指定 (PC)] と [優先送信指定 (FTP)] を追加。
操作関連
- [カスタムメニュー] のd18とg17に [半押し拡大解除 (MF)] を追加。
- [カスタムメニュー] > a11 [フォーカスポイント表示] に [フォーカスポイントの太さ] を追加。
- [セットアップメニュー] の [カード初期化 (フォーマット)] で物理フォーマットの手順を変更。
- 撮影機能設定の呼び出し中に、露出補正とホワイトバランスの設定変更が可能に。
- レンズのパワーズームに対応。
- [カスタムメニュー] に、d5 [露出ディレーモード] を追加。
- 以下の [カスタムメニュー] に割り当て可能なボタン、割り当てられる機能を追加。また、設定のリセット機能を追加。
- f2 [カスタムボタンの機能 (撮影)]
- f3 [カスタムボタンの機能 (再生)]
- g2 [カスタムボタンの機能]
※[ピント位置優先] と [ピント位置 (顔優先)] は、f3 [カスタムボタンの機能 (再生)] > [メインコマンドダイヤル] または [サブコマンドダイヤル] > [画像送り時の拡大位置] で設定可能。
※f3 [カスタムボタンの機能 (再生)] > [メインコマンドダイヤル] または [サブコマンドダイヤル] > [画像送り] の設定が、拡大再生中の画像送りにも適用される。
- [セットアップメニュー] の [レンズ情報手動設定] の機能を変更。
- IPTCプリセットの [Category] で登録できる最大文字数を、3文字から256文字に変更。
- [セットアップメニュー] の [電子音] のメニュー構成を変更し、電子シャッター音の音量や音の種類を選択可能に。
表示関連
- マニュアルフォーカス撮影時に表示されるフォーカス距離指標に距離表示機能を追加。
- [セットアップメニュー] の [ファインダー表示サイズ (静止画Lv)] を [ファインダー表示サイズ] に名称変更。動画モードや再生モードにも適用される。
ネットワーク関連
- 「ATOMOS AirGlu BT」と接続時、接続が切断したとき、または接続が不安定なときに警告表示を行う。
- リモートグリップ「MC-N10」と「ATOMOS AirGlu BT」の併用が可能に。
- [ネットワークメニュー] の [FTPサーバーと接続] に機能の変更と追加。
- 連動レリーズモードの設定方法を変更。登録できるグループ数が20に、グループ内でマスターカメラから制御できるリモートカメラの台数が16台に増加。
- [ネットワークメニュー] の [カメラと接続] に [著作権情報の上書き] を追加。
アプリケーション関連
- 「NX MobileAir」との組み合わせで機能を追加。
- カメラの静止画ライブビューに「NX MobileAir」の状況を表示。
- カメラの [メニュー設定の保存と読み込み] でメモリーカードに保存したカメラの設定データをスマートフォン (NX MobileAir) に保存したり、スマートフォンからカメラのメモリーカードへの送信が可能に。
その他
- [静止画撮影メニュー] の [静止画フリッカー低減] を [ON] に設定した場合、シャッターをきるときに撮影画面が一瞬暗くなる時間を短縮。
- [3D-トラッキング] において、[AF時の被写体検出設定] で [オート] [人物] [動物] [乗り物] を選択し、かつ被写体が検出できていない場合における小さく動きの速い被写体の捕捉精度を向上。
- 低速連写でフリッカー検出時のAFロックオンを改善。
- これら以外のオートフォーカスの動作や安定性も改善。
- [ファインダーの明るさ] が [オート] の時に、再生モードのファインダー表示が暗くなる場合がある現象を改善。
- インターバル撮影において、輝度差のあるシーンやスターライトビューを使うような暗いシーンでも1枚目から適正露出で撮影されやすくなった。
- スターライトビューがONの時は、ヒストグラムを表示しない。
- 動画記録可能な残り時間が少なくなった場合の警告表示を、残り時間が1分未満のときに残り時間表示部が赤背景に白文字となるよう変更。また、動画記録中でない場合でも警告表示が出るように変更。
- 動画の再生画面で、タッチ操作によるプログレスバーの再生位置変更時により細かく送れるように改善。
- [AFエリアモード] が [3D-トラッキング] に設定され、かつ人物が大きく写っている場合、AFエリアの近くに瞳の検出枠があるときは、AFエリアに近い瞳を優先してピントを合わせる。
- [カスタムメニュー] のd11 [赤色画面表示] で、[表示モード1] あるいは [表示モード2] に設定しているときのRGBヒストグラム表示を見やすく変更。
- 以下の不具合を修正。
- インターバルタイマー撮影で撮影した画像の露出がアンダーになる場合がある。
- フラッシュ発光を行いながらフォーカスシフト撮影を行うと、フラッシュが発光しない場合がある。
- 「WR-R10」を装着しながらUSB給電を行っている状態で、半押しタイマーオフの状態から復帰したとき、ピントの位置が [フォーカス位置の記憶] で設定した位置に戻ってしまう。
- 連写やフォーカスシフト撮影を行った際に露出が正しくない場合がある。
- [モニターモード] が [ファインダー優先 2] に設定されていて、かつ [AF-ONボタン] に [再生] が割り当てられているとき、AF-ONボタンを押すと画像の再生がすぐ終了する。
- シャッタースピードを [Bulb] に設定したとき、シャッターボタンを押しても撮影されない場合がある。
- [AFエリアモード] が [3D-トラッキング] に設定されているとき、タッチシャッターを [フォーカスポイント移動] にしてタッチ操作を行うと、マルチセレクターやサブセレクターによるフォーカスポイントの移動ができない。
- [AFエリアモード] を [ワイドエリアAF (S)] [ワイドエリアAF (L)] [ワイドエリアAF (C1)] [ワイドエリアAF (C2)] のいずれかに設定していると、被写体を検出している時にセットアップメニューの [AF微調節の設定] で設定した微調節量が反映されない。
本ファームウェアに対応する「Camera Control Pro 2」「NX Tether」「NX Studio」の最新版も併せて公開された。ファームウェアのダウンロードはニコンのWEBサイトから。
https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/download/fw/514.html