カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2025」が、2025年2月27日~3月2日にリアル会場とオンラインで開催。今年は過去最多となる125の企業・団体が出展しています。リアル会場から、注目の新製品や各社のイチオシ、取材スタッフが見つけた注目アイテムを紹介します。
コシナ
初日から来場者が途切れることがなかったコシナブース。これまでにないほど注目を集めているのは、2025年5月発売がアナウンスされた「ZEISS Otus ML 1.4/50」にありそうだ。
ブース内はアンティークのアイテムや観葉植物などの被写体を囲むようにレンズとカメラが配置されていて、撮影体験ができるようになっていた。コーナーに設けられたカウンターでは、説明を受けながら各種レンズを試すことができた。
5月発売の「ZEISS Otus ML 1.4/50」をハンズオン
2025年5月発売予定の「ZEISS Otus ML 1.4/50」は、Otusシリーズとして6年ぶりとなる新製品。クラス最高のマニュアルプライムレンズとして知られるZEISS Otusシリーズならではの、妥協のない光学性能を実現するレンズだ。名称の “ML” は、ミラーレスカメラに最適化されたレンズであることを示している。キヤノンRFマウント、ソニーEマウント、ニコンZマウントの3マウントがラインアップされる予定だ。

なめらかな曲線が特徴だったデジタル一眼レフ用Otusシリーズのボディに比べると、全体的に直線的なデザインになっている。絞りのクリックをオフにするデクリック機構を新たに装備。なめらかに動く幅広のピントリングの操作感は変わっていない。
鮮やかな黄色い文字はそのままに、マウント部にはブルーのリングが設けられている。レンズ指標もブルーだ。電子接点を備えており、Exif情報が記録できる。またキヤノンRFマウント用レンズでは、カメラ側のレンズ補正にも対応する。
年内発売予定の「ZEISS Otus ML 1.4/85」も参考出品
Otus MLシリーズの2機種目となる「Otus ML 1.4/85」も参考出品されていた。「Otus ML 1.4/50」と同様に、マウント部にブルーのリングが設けられている。こちらは2025年後半に発売予定。
フィルター径は77mmで、デジタル一眼レフ用「Otus 1.4/85」の86mmよりも小さくなっている。「Otus ML 1.4/50」よりもレンズ径が太く、重量感もある。こちらもキヤノンRFマウント、ソニーEマウント、ニコンZマウントが用意される予定だ。
レトロスタイルの極薄レンズ「フォクトレンダー COLOR-SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical VM」
フォクトレンダー「COLOR-SKOPAR 35mm F3.5 Aspherical VM」は2025年3月発売予定。ヴィンテージレンズを彷彿させるレトロスタイルで、コンパクトさを徹底的に追求した広角レンズ。本体カラーはシルバーとブラックペイントの2種類をラインアップする。
全長はマウント面から14mmという短さを実現。両面非球面レンズ1枚、異常部分分散ガラス3枚を採用した4群6枚構成で、抜けの良いクリアな描写が可能。フォーカスレバーには無限位置ロック機構が搭載されており、レンズが繰り出しても外筒にヘリコイドが露出することがなく、ホコリなどが侵入しにくい構造になっている。最短撮影距離は0.7m、重量は驚きの99gだ。
金属製のかぶせ式フードが付属する。フードはレンズの絞り操作リングと一体化する設計のため、装着時の絞り指標線が装備されている。


ボケ描写が変化する「フォクトレンダー PORTRAIT HELIAR 75mm F1.8 E-mount」で実写
参考出品の「フォクトレンダー PORTRAIT HELIAR 75mm F1.8」は、ソフトフォーカスレンズのような描写から後ろボケが輪郭ボケになる描写まで、幅広い表現が可能な大口径中望遠レンズ。マウントはソニーEマウントで、電子接点を装備する。最短撮影距離は0.7m。
先端部分に設けられたシルバーの球面収差コントロールリングを指標から左 (over)・右 (under) にズラすことで、ボケ描写が変化する。絞り開放付近ほど効果が分かりやすい。
実際に撮ってみた。カメラは「ソニー α7R III」、絞りはすべてF1.8。



フォクトレンダー NOKTON F1.2シリーズ3本も参考出品
開放F値F1.2のフォクトレンダー単焦点レンズも参考出品されていた。「NOKTON 35mm F1.2 Aspherical IV VM」「NOKTON 40mm F1.2 Aspherical II VM」「NOKTON 50mm F1.2 Aspherical II VM」の3本で、発売時期はいずれも未定。2024年7月に生産を終了した従来機種よりも軽量化されており、レンズ先端のバヨネット部分がブラックになったのが主な変更点だ。



フォクトレンダー史上最高性能の広角レンズ「APO-LANTHAR 28mm F2 Aspherical VM」
「APO-LANTHAR 28mm F2 Aspherical VM」も参考出品。RGBの軸上色収差を限りなくゼロに近づけるアポクロマートを採用し、各収差を徹底的に排除することで、解像力やコントラスト再現性を高めて究極の性能を追求した。Mマウントのイメージセンサーに最適化されており、“フォクトレンダー史上最高性能の広角レンズ” を謳っている。発売時期や価格は未定。