カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2025」が、2025年2月27日~3月2日にリアル会場とオンラインで開催。今年は過去最多となる125の企業・団体が出展しています。リアル会場から、注目の新製品や各社のイチオシ、取材スタッフが見つけた注目アイテムを紹介します。
【LK SAMYANG】シュナイダーと提携したミラーレス用超広角ズームレンズ
韓国の光学メーカー・LK SAMYANG (サムヤン)は、産業用レンズの世界で業務提携しているドイツのシュナイダー・クロイツナッハの名を冠したミラーレスカメラ用超広角AFズームレンズを発表した。
側面に「Schneider-KREUZNACH × LK SAMYANG」と刻まれた「AF 14-24mm F2.8 FE」は、フルサイズ対応の超広角ズームレンズ。最短撮影距離は0.18m。質量は445gと、開放F値2.8であることを考えると非常に軽量。マウントはソニーEマウント。現在、公表されているスペックはここまで。2025年の上半期中の発売を目指しているとのこと。
ズームリングのローレットにはこれまでのサムヤン製レンズにはなかった個性的なパターンを採用。レンズ前寄りのフォーカスリングもシンプルなパターンとなっている。レンズ底部にはUSB Type-Cを装備し、USB経由でファームウェアのアップデートを行える。
【SIRUI】開放F1.4とは思えないほどコンパクトな中望遠AFレンズ
シネマ用レンズや三脚のメーカーとして知られるSIRUI (シルイ)。2024年11月18日に発売された「Aurora 85mm F1.4」は、フルサイズミラーレス対応のスチル向けに作られた大口径中望遠レンズ。サイズは80.3×101.7mmと、国産のライバルモデルよりひと回り小さい印象を与える。質量は約540gで、開放F1.4の大口径レンズとは思えない軽量ボディを実現している。
レンズ構成は9群14枚。2枚のEDガラスと4枚のHRI (特殊高分散) ガラス、非球面レンズにより各種収差を補正し、優れた描写性能を発揮する。フィルター径は67mmで、開放F1.4の85mmレンズとして前玉を小さく抑えている。レンズ先端寄りにフォーカスリング、マウント寄りに絞りリングを持つ。絞りリングはクリックの有無をスイッチで選択可能。参考価格は97,900円 (税込)。マウントはソニーE、ニコンZ、富士フイルムXの3種類が用意されている。
【ズノン】光学レンズいらずでソフト描写の写真が撮れる不思議な「ZNONZ」シリーズ
ピンホール写真のように、光学レンズを使わずに写真撮影を行う「非レンズ撮影機材」を製造・販売しているズノン。光の回折現象を利用して撮影する「ゾーンプレート写真」に取り組んでいる竹田辰興さんとの出会いから、このユニークな撮影機材が誕生した。
「ZNONZ II」は、位相型ゾーンプレート4種類を搭載したモデル。横のダイヤルを回すとターレットが回転し、ゾーンプレートが切り替わる仕組み。マウントはライカMマウントを採用し、市販のマウントアダプターを併用することで、さまざまなミラーレスカメラに装着できる。フルサイズ機だけでなく、ラージフォーマットのGFXシリーズにも対応する。販売は直販のみで、写真のブロンズモデルは直販価格47,800円 (税込)。
「ZNONZ II」に搭載される位相型ゾーンプレートは、特殊なフィルムに微細な溝を同心円状に生じさせたもの。このゾーンプレートの形状の違いがソフト描写や像の流れを変化させるという。会場では、「ZNONZ II」に搭載される位相型ゾーンプレートの種類、「ZNONZ I」の光学素子の形状が印刷されたカードが配られた。
最初に発売された「ZNONZ I」は、ピンホールとピンホールを発展させた光学素子を使用したモデル。ピンホール、ゾーンプレート、フォトンシーブ、スクエアゾーンプレートの4種が内蔵され、ターレットを切り替えることで、4種類の描写を楽しめる。こちらもライカMマウントを採用する。発売中のブラックモデル「ZNONZ Is」の直販価格は12,800円 (税込)。
ブースには「ZNONZ I」と「ZNONZ II」のソフトでにじむような独特の描写を確認できるプリントが数多く展示されていた。
【SAEDA】スマホからのプリントも可能! 色鮮やかなプリントが楽しめる「Kodak Mini Shot シリーズ」
写真用品販売を行うSAEDA (サエダ) ブースの注目製品は、プリンター内蔵カメラ「Kodak Mini Shot シリーズ」。単焦点のシンプルなデジタルカメラに昇華型プリンターが一体化され、撮影したその場で美しいカラープリントができる。Bluetooth接続により、スマホで撮った写真をこのカメラに送り、プリントすることも可能だ。発売は2025年4〜5月の予定。
カメラは4タイプあり、「ERA」はグリップ付きの現代風デザイン。手前の2台は長方形のプリントが得られる「Kodak Mini Shot 2 ERA」(販売予想価格 25,790円)、奥の2台は大きめのスクエアプリントの「Kodak Mini Shot 3 ERA」(販売予想価格 23,790円)。
「RETRO」はシンプルなフラットタイプのカメラ。手前の2台は長方形のプリントの「Kodak Mini Shot 2 RETRO」(販売予想価格 18,200円)、奥の2台はスクエアプリントの「Kodak Mini Shot 3 RETRO」(販売予想価格 20,200円)。
内蔵されるプリンターは、発色が美しい昇華型。撮影した画像を背面のモニターで確認し、プリントする際はOKボタンを押す。イエロー、マゼンタ、シアンの3色を順次印刷し、最後に仕上げのコートを加える。1色プリントする度にペーパーが出たり入ったりする様子はユニーク。なお、撮影画像をメモリーカードなどに記録できないため、撮ったその場でプリントすることになる。
「Kodak Mini Shot 2 ERA」と「Kodak Mini Shot 2 RETRO」に使われるフィルムのプリントサイズは5.3×8.6cm。「Kodak Mini Shot 3 ERA」と「Kodak Mini Shot 3 RETRO」のプリントサイズは7.6×7.6cm。フィルムカートリッジはいずれも1パック30枚入りで、販売予想価格は前者が2,400円、後者が2,790円 (いずれも税込)。
【Nextorage】世界初・VGP800対応のCFexpress4.0 TypeAメモリーカード登場
積極的にCFexpressメモリーカード製品を展開するNextorage (ネクストレージ) 。昨年11月にInter BEE 2024の会場で発表されたCFexpress Type Aメモリーカード「NX-A2SEシリーズ」の上位モデルとなる「NX-A2PROシリーズ」と「NX-A2AEシリーズ」が発表された。いずれも2025年4月下旬発売予定。
「NX-A2PROシリーズ」は世界初のVGP800に対応し、最大読み出し速度1950MB/s、最大書き込み速度1900MB/s、最低継続書き込み速度1900MB/sを実現するハイエンドメモリーカード。容量は640GB、320GB、160GBの3種類。
「NX-A2AEシリーズ」はVGP400に対応し、最大読み出し速度1950MB/s、最大書き込み速度1900MB/s (500GBは1700MB/s)、最低継続書き込み速度1400MB/s (500GBは1200MB/s) を実現する高性能メモリーカード。容量は2000GB、1000GB、500GBの3種類がある。
■市場想定価格 (いずれも税込)
NX-A2PROシリーズ : 640GB 79,790円、320GB 49,790円、160GB 26,990円
NX-A2AEシリーズ : 2000GB 99,800円、1000GB 64,980円、500GB 35,980円