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ぐるぐるボケ効果を簡単に調節できる新ペッツバールレンズをハンズオン【CP+2025】ロモグラフィー

カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2025」が、2025年2月27日~3月2日にリアル会場とオンラインで開催。今年は過去最多となる125の企業・団体が出展しています。リアル会場から、注目の新製品や各社のイチオシ、取材スタッフが見つけた注目アイテムを紹介します。

ロモグラフィー

撮影スタイルやフィルムサイズに応じた、多彩なインスタントカメラを展開し続けているLomography (ロモグラフィー)。今回のCP+2025にも、それらの製品が多く展示されていた。そして、注目の新製品としては、交換レンズの新Petzvalシリーズや、暗室不要のフィルム現像タンクなどが挙げられる。“ロモはインスタントカメラを販売する会社” と思い込んでいる人は、良い意味で不意打ちを食らうだろう。

【CP+2025】ロモグラフィー

“ぐるぐるボケ” 調節がしやすいPetzvalレンズの新シリーズを発表

Petzval (ペッツバール) レンズは、19世紀に誕生した、世界で初めて実用化された写真撮影用の対物レンズである。その最大の特徴は、アウトフォーカス部分に発生する渦巻きのような “ぐるぐるボケ”。その独特なボケ描写が、ポートレート撮影などでノスタルジックな雰囲気を醸し出してくれる。

【CP+2025】ロモグラフィー
Petzvalレンズ群。下から時計回りに24mm f/2、55mm f/1.7、80.5mm f/1.9、35mm f/2。中央が135mm f/2.8。

 

ロモグラフィーでは、以前から55mmと80.5mmの製品を発売してきたが、新たに24mm、35mm、135mmの3本もPetzvalシリーズのラインアップに加えられた。そして、この新しいPetzvalシリーズは、単に焦点距離のラインアップが増えただけはない。高精度な補正機構の導入によって、フォーカスシフト (ピント位置のズレ) なしに “ぐるぐるボケ” レベルを変えることが可能になったのである。

【CP+2025】ロモグラフィー
「Petzval 55mm f/1.7」。重厚な印象の外観だが、実際に手にすると、見た目の印象より軽く感じられた。
【CP+2025】ロモグラフィー
こちらは「Petzval 135mm f/2.8」。このサイズの望遠レンズなので、さすがに少し重く感じられる。
【CP+2025】ロモグラフィー
フォーカスリングと絞りリングの間にある未塗装のリングが “ぐるぐるボケ” の強弱を調節するリング (BCの表記) 。指標は最弱1から最強7まで7段階だが、絞りリングと同様にクリックは設けられていない。
【CP+2025】ロモグラフィー
ブース内に設置されたモニターでは、Petzvalレンズを使用して撮影した動画が流されていた。

明るい場所で手軽にフィルム現像ができる「Lomo Daylight Developing Tank 35mm」

こちらも新製品で、コンパクトなオールインシステムの現像タンク「Lomo Daylight Developing Tank 35mm」。これを使用すれば、暗室やダークバッグなしで35m判フィルムの現像がおこなえる。

【CP+2025】ロモグラフィー
ロモグラフィーのブース内で目を引いたのが、丼 (どんぶり) を彷彿させる赤い蓋が印象的な「Lomo Daylight Developing Tank 35mm」。価格は10,980円 (税込) 。横に置かれているのは、付属のフィルムピッカー。

 

フィルムカッター内蔵のコンパクトデザインで、パトローネから現像タンクへのフィルム巻き取りも簡単。そして、赤い蓋の液漏れを防ぐバックルも付属していて、倒立・回転の2つの攪拌方法に対応している。

【CP+2025】ロモグラフィー
画期的なフィルム巻き取り機構を採用しているので、一度手順を覚えてしまえば、スムーズに操作できるだろう。

 

実際の現像工程は、ロモグラフィー公式YouTubeチャンネルの動画を参考にすると良いだろう。

 

【CP+2025】ロモグラフィー
足元に目を移すと、ブース内の床がロモグラフィー製品で撮影された (と思われる) 大量の写真で埋め尽くされていた。インパクト最強!!