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【実機をチェック!】4K60P対応、本格的な動画撮影が楽しめるエントリーモデル「EOS R50 V」

キヤノンは、本格的動画性能を持つエントリー機「EOS R50 V」を2025年5月下旬に発売する。価格はオープンで参考価格はボディが113,300円、「RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ」のレンズキットが140,800円(いずれも税込)。
また、「RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ」レンズのみの発売は、2025年7月を予定している。価格はオープンで、参考価格は55,000円(税込)。

動画に特化したデザインと操作性

「EOS R50 V」は、「V」の名が付くとおり動画撮影に特化したモデルとなっており、ボディ形状も「EOS R50」から大きく変化している。天面はフラットとなり、縦位置撮影の際に持ちやすい形状に。グリップのサイドに縦位置用の三脚穴も搭載した。カメラ前面と上部2か所に動画撮影ボタンを配置。録画状態を知らせるタリーランプも見やすい位置に設置、モードダイヤルも動画撮影が中心になり、従来のEOSシリーズと異なる。


カメラ前面にも動画撮影ボタンが

モードダイヤルにはビデオカメラのマークが並ぶ

本格的な動画撮影性能

2,420万画素のAPS-Cサイズセンサーと映像エンジンはDIGIC Xを搭載。「EOS R50」と同様に6Kオーバーサンプリングによる高画質4K動画(29.97 / 25.00 / 23.98fps)に加え、新たに4K Crop動画(59.94 / 50.00fps)に対応。フルHD 120P音声アリの動画撮影にも対応。YCC 422 10bitの豊かな階調表現も可能となっている。
また、動画撮影が中心となったモードダイヤルで「S&F」を選択すると、スロー&ファストモーション動画モードになり、一瞬の動きをスローモーションで表現したり、時短映像でテンポよく表現するといったことが手軽にできる。
長時間録画も想定してあり、「EOS R50」では、フルHD 60P以下の動画撮影が最長1時間だったのに対し、本機では最長2時間となっている。これには、Cinema EOSにも採用されている放熱性の高いマグネダイキャストボディを採用するなど、熱対策も講じられている。

こだわりの画作り

3つのカラーモードが選べる「カラーモードボタン」が新設された。モードは「カラーフィルター」「ピクチャースタイル」「カスタムピクチャー」の3つ。新機能の「カラーフィルター」はグレーディングなしで撮影時に14種類の表現が選べ、静止画でも活用できる。「カスタムピクチャー」では、Cinema EOSと共通の画作りが可能。Canon Log 3動画もプリセットされている。

被写体検出対象が追加され、多彩なAFモードを搭載

デュアルピクセルCMOS AF IIを搭載。被写体検出においては、動物に馬が、乗り物に飛行機と鉄道が追加された。「登場人物優先」も搭載しており、撮りたい演者にピントを粘り強く追従させることができる。動画サーボAFの合焦速度の調整も行える。「レビュー用動画」モードでは、至近優先で商品と人物の顔へのピントが素早く切り替わり、顔を隠したりする必要はない。レンズキットの「RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ」であれば、最短0.15mまで商品を近づけて撮影することも可能だ。

ライブ配信にも対応

新たに「ライブ配信ボタン」も装備。ボタンを押すとメニューの「ライブ配信」の画面にダイレクトにアクセスする。有線無線含め4種類の配信方法を選択できる。また、UVC / UACに対応しUSBケーブルでつなげるだけでビデオ通話やライブ配信が可能に。4K 60P(Crop)の高画質配信もでき、USB給電に対応しているので、バッテリー残量を気にする必要もない。

製品のメディア向け説明会には、戸倉副社長も登壇。「PowerShotでは動画向けモデルとしてV10、V1と展開してきたが、この「EOS R50 V」はEOSシリーズの「V」になります。同じ「V」として共通部分を持ちながら、ニーズに合わせてラインアップを揃えていきます。「EOS R50 V」は操作性を損ねることなく、デザインにもこだわったカメラです。一般の方がプロになって行く場合もある。そして動画が目的でも写真も必ず撮る。エントリーモデルとして両方の性能を高めた、入口となるカメラだと考えています」と製品誕生の背景と動画向けモデルの今後について語った。

EOS R50 V 主な仕様

有効画素数 最大約2,420万画素
撮像素子 約22.3×14.9mm CMOSセンサー
マウント キヤノンRFマウント
ISO感度 (静止画撮影時) ISO 100〜32,000 (拡張 : ISO 51200相当)
ISO感度 (動画撮影時) ISO 100〜12800 (拡張 : ISO 16000~25600相当)
シャッター速度 (静止画撮影時) [電子先幕設定時] 1/4000~30秒、バルブ [電子シャッター設定時] 1/8000~30秒、バルブ
シャッター速度 (動画撮影時) 1/4000~1/8秒
液晶モニター 3.0型 約104万ドット バリアングル液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-II対応)
幅×高さ×奥行き 119.3×73.7×45.2mm
質量 [本体のみ] 約323g [バッテリー、メモリーカードを含む] 約370g
 

動画撮影の入門にぴったりなパワーズーム内蔵型広角ズームレンズ


キットレンズに採用された「RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ」は、焦点距離14-30mm(35mm判換算22.4-48mm)の広角ズームレンズ。
RFレンズでは初となるリング型のパワーズーム機構を搭載している。これにより、一定の速度でなめらかにズームさせることが可能。ズームリングを回す角度により、「速い」と「遅い」の2段階にズーム速度を選ぶことができる。「EOS R50 V」装着時は、カメラのズームレバーやリモコン、アプリからも操作が可能となる。インナーズーム機構なので、レンズの重心が変わることなく撮影できる。
レンズ内ISを搭載。光学式手ブレ補正は中央5段。「EOS R50 V」装着時の協調制御では、中央7.5段の効果が発生する。

「EOS R50 V」に装着時

RF-S14-30mm F4-6.3 IS STM PZ 主な仕様

マウント キヤノンRFマウント
焦点距離 14〜30mm (35mm判換算 22.4~48mm相当)
最小絞り F22(14mm時)、38(30mm時)
レンズ構成 9群10枚
絞り羽根枚数 7枚
最短撮影距離 0.15m
最大撮影倍率 0.17倍(14mm時)、0.38倍(30mm時)
フィルター径 φ58mm
最大径×長さ 約φ69.6×62mm
質量 約181g