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実機をチェック! “フィルムカメラらしさ”を極めた新感覚コンデジ「FUJIFILM X half」登場

富士フイルムは、フィルム撮影体験の魅力をデジタルで楽しむことができるコンパクトデジタルカメラ「X half」を発表した。発売は2025年6月下旬予定。価格はオープンで、市場想定価格は110,000円前後(税込)。

<2025.6.16> 発売日が2025年6月26日に決定。

X half
チャコールシルバー

デジタルなのにフィルムのこだわりが随所に!

富士フイルム独自の色再現技術と小型軽量を実現するXシリーズの最新機種して「X half」と名付けられたこのカメラは、ハーフサイズカメラをモチーフとしたモデル。搭載されるセンサーは裏面照射型の1インチサイズで画素数は約1,770万画素、35mm換算で32mmの画角の単焦点レンズを組み合わせる。これはレンズ付きフィルム「写ルンです」と同じ焦点距離とのことで、気軽にスナップ撮影が楽しめる画角設定となっている。

実際は手のひらに収まるほどのサイズ感。

 

重量はわずか240g(バッテリー、メモリーカード含む)と、手のひらに乗るほどの軽量・小型設計。ポケットにしのばせて、どこにでも持ち歩いて気軽に撮影ができる。ボディカラーは「チャコールシルバー」「シルバー」「ブラック」の3色が用意される。

X half
メカっぽさが強調される「シルバー」
X half
精悍な印象の「ブラック」

「巻き上げレバー」はナンのため?

half(ハーフ)のネーミングのとおり、35mm判フィルムハーフカメラのような横3:縦4という縦長のアスペクト比を採用し、気軽に静止画や動画を撮影することができる。搭載されるファインダーは光学式だが、背面のモニターで構図を確かめながら撮影することも可能。レンズ先端はピントリングになっていて、MF操作が楽しめるようになっている。

注目は、2枚の縦構図写真を組み合わせて1枚の画像として撮影することができる「2in1」機能。1枚目の画像を撮影したあと、本体の右肩にある巻き上げレバーのような「フレーム切り替えレバー」を操作して次の撮影をすると、その2枚が合わさった画像が生成される。

X half
ボディ上面右肩にシャッターボタン・露出補正ダイヤルと同軸に備わる「フレーム切り替えレバー」。電源をONにすると写真のように指がかかりやすいポジションになる。

 

カメラ単体での撮影・再生も楽しめるが、中でもユニークなのが「フィルムカメラモード」。予め設定した枚数(36、54、72枚 / いずれもハーフ判で撮ったときと同じカウント)まで撮りきった後にあとに専用アプリ「X half」に撮影データを転送し、デジタル現像を行うことで初めてアプリ上で撮影画像の確認・編集できるようになるという凝ったモード(記録される画像形式はjpg)。ほかにも、このアプリを使って組写真をつくったりすることも可能だ。

カメラと同時に発表された専用アプリ(写真はiOS用の画面)。アプリ上からのSNSへのアップロードやスマホプリンター「instax Link」と連携させてプリントすることもできるようになる。

フィルムメーカーならでは (!?) の新しいフィルター効果

背面にMENUボタンなどが見当たらないが、モード切替などの操作はすべてパネルをタッチ・フリックで行うようになっている。プログラムモードだけでなく、絞り優先、シャッター優先モードも搭載し、撮影者の意図を盛り込んだ撮影が可能。

ボディ背面にある物理ボタンは「動画/静止画」の切り替えと「再生」のボタンのみ。MENUの呼び出しはフリックで行う。再生画面はスワイプして拡大も可能。

 

また、富士フイルムXシリーズでおなじみのフィルムシミュレーションは13種類を搭載。新規に開発された「ライトリーク」「期限切れフィルム」などとあわせて8種類のフィルター効果が楽しめる。さらに懐かしいオレンジ色で印字される「日付入り撮影」機能も搭載するなど、フィルムカメラらしさを随所に見せるつくりとなっている。光学ファインダー使用時は約880枚の撮影が可能とのことなので、丸1日持ち歩いてもバッテリー残量を気にすることはないかもしれない。

背面左側の縦長の小窓に選択したフィルムの銘柄が表示される。フリックするだけで簡単に切り替えが可能なので非常に使いやすい。

 

SNSとの相性がいい縦構図でオシャレ写真を楽しみたいと考えているユーザーだけでなく、フィルムシミュレーション、ひいてはフィルム写真の楽しさを知っているディープなカメラファンにとっても興味深い1台といえそうだ。

発表イベントには女優の内田理央さんが登場

発表日の2025年5月22日には下北沢にある「シネマK2」で発表イベントが開催され、女優の内田理央さんと写真家の増田彩来さんが登壇。いち早く実機を手にした増田さんがこの日のために撮影した内田さんのポートレートなど、多数紹介された。

X half
トークショーで内田さん(右)は「カメラって難しそうと思っていたんですが、直感で使うことができたのでカメラ初心者の私でも楽しめました」と、「X half」を使ってみた感想を語った。

イチ早く体験したい人は下北沢へGO!

富士フイルムでは「X half」の発表にあわせて、東京・下北沢のBONUS TRACKおよびPARKにおいて「下北シャッター」を銘打ったイベントを2025年5月25日(日)まで開催(時間は11時~18時)。写真家やインフルエンサーによる作品展示、「X half」のタッチアンドトライコーナー、セルフポートレートを撮影できるフォトブースなどが用意されている。

FUJIFILM X half 主な仕様

カラー チャコールシルバー、シルバー、ブラック
有効画素数 約1774万画素
撮像素子 13.3mm×8.8mm (1inchサイズ) 原色フィルター採用
レンズ 焦点距離 10.8mm (35mm判換算 32mm相当)、開放F値 F2.8、レンズ構成 5群6枚 (非球面3枚)
ISO感度 ISO 200~12800
ファインダー [OVF] 視野率約90% ファインダー倍率約0.38倍
画像モニター 2.4型 約92万ドット タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I対応)
幅×高さ×奥行き 105.8×64.3×45.8mm (最薄部 30.0mm)
質量  約191g (本体のみ) / 約240g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 充電式バッテリーNP-W126S(リチウムイオンタイプ)、ヘッドホン用アダプター、ハンドストラップ、ストラップリング(2個)、ストラップリングカバー(2個)、レンズキャップ、コールドシューカバー