今年も「写真甲子園」の夏が始まった。2025年5月22日、「写真甲子園2025」の初戦審査会が開かれ、518校よりブロック審査会に進む80校が選ばれた。

518校の中から初戦突破80校を選出
会場にはブロックごとに応募作が並べられ、タブレットを手にした審査員たちが各々のペースで審査していく。テーマ性、技術力、表現力の3点で評価し、点数を入力する。9名の審査員が入力を済ますと、即座に集計され、結果が審査員に配られる。

テーブルには写真と、制作意図が置かれているだけで、学校名は示されていない。「独特のカラーがある学校があって、写真を見ただけで学校名がわかるときがあります」と浅田政志さん。

写真甲子園は3人のメンバーで組写真を作り上げる。撮影だけでなく、モデルとして関わることもある。「単に組写真としての優劣だけでなく、グループとしてのバランスや力も見る必要があって、そこが難しい」と大森克己さんは指摘する。

審査員に共通しているのは、若い人たちの感性に触れられる楽しさ、手応えだ。「ブロックごとに見ていると、地域性や多様性が感じられて面白い」と野村恵子さん。野村さんは学生などの指導も長く経験しているが、写真甲子園では「自分たちの今を表現している人が多い」と感じるそうだ。

審査員が明かす「良い写真を撮るには?」
より良い写真を撮る秘訣を審査員に聞いた。
「何よりも楽しんで撮ることが一番。今回も熱量を感じる攻めた写真がありました」(浅田さん)
「評価するオトナを喜ばせる写真でなく、自分たちが面白がって撮ってほしい」(大森さん)
「本気を出そう。撮影者のやる気は写真に見える。技術の良し悪しよりも、熱い想い、どれだけのめり込んでいるかが大事。映えるだけでは “いいね” は押せない (笑)」(野村さん)
今回はコロナ禍により中断していた写真雑誌の編集長も審査に加わった。『デジタルカメラマガジン』福島晃編集長と、『CAPA』菅原隆治編集長の2名。そのほか、写真家の中西敏貴さん、須藤絢乃さん、鵜川真由子さんと、北海道新聞社編集局写真映像部長の西村昌晃さんが審査委員を務めた。
ブロック審査会は6月にオンラインで実施
選ばれた80校は写真甲子園の公式サイトで見られる。またブロック審査会は2025年6月7日と8日、学校と審査員をオンラインでつなぎ行なわれる。その模様は7月中旬、写真甲子園の公式YouTubeでアーカイブ動画を配信予定だ。
写真甲子園2025 ブロック審査会進出校
■北海道ブロック (本戦大会進出枠1校)
北海道札幌工業高等学校、札幌創成高等学校、北海道札幌東商業高等学校、北海道幕別清陵高等学校、北海道札幌琴似工業高等学校
■東北ブロック (本戦大会進出枠1校)
青森県立弘前南高等学校、宮城県泉松陵高等学校、宮城県農業高等学校、宮城県仙台二華高等学校、宮城県白石工業高等学校
■北関東ブロック (本戦大会進出枠2校)
茨城県立笠間高等学校、栃木県立栃木工業高等学校、栃木県立鹿沼商工高等学校、群馬県立勢多農林高等学校、新島学園高等学校、群馬県立富岡実業高等学校、群馬県立伊勢崎工業高等学校、埼玉県立芸術総合高等学校、埼玉栄高等学校、城北埼玉高等学校
■南関東ブロック (本戦大会進出枠2校)
千葉県立四街道高等学校、千葉県立幕張総合高等学校、千葉県立君津高等学校、千葉県立国府台高等学校、向上高等学校、神奈川県立相模向陽館高等学校、神奈川県立追浜高等学校、神奈川県立逗子葉山高等学校、川崎市立川崎総合科学高等学校、神奈川県立座間総合高等学校
■東京ブロック (本戦大会進出枠2校)
東京都立工芸高等学校、本郷高等学校、東京都立武蔵村山高等学校、東京都立総合芸術高等学校、正則高等学校、トキワ松学園高等学校、東京都立八丈高等学校、麻布高等学校、明星高等学校、八王子学園八王子高等学校
■北陸信越ブロック (本戦大会進出枠1校)
中越高等学校、高岡第一高等学校、富山県立富山中部高等学校、福井県立丹生高等学校、伊那西高等学校
■東海ブロック (本戦大会進出枠2校)
関市立関商工高等学校、岐阜県立岐阜総合学園高等学校、富田高等学校、静岡県立磐田南高等学校、静岡県立下田高等学校、静岡県立浜松江之島高等学校、豊川高等学校、愛知県立津島東高等学校、愛知県立豊橋南高等学校、愛知県立中村高等学校
■近畿ブロック (本戦大会進出枠2校)
京都府立綾部高等学校、同志社女子高等学校、京都成章高等学校、大阪府立工芸高等学校、大阪府立成城高等学校、大阪府立生野高等学校、帝塚山学院高等学校、兵庫県立龍野北高等学校、神戸国際大学附属高等学校、和歌山県立神島高等学校
■中国ブロック (本戦大会進出枠1校)
島根県立平田高等学校、出雲北陵高等学校、就実高等学校、広島県立庄原格致高等学校、山口県立下松高等学校
■四国ブロック (本戦大会進出枠1校)
香川県立観音寺第一高等学校、済美高等学校、愛媛県立新居浜工業高等学校、愛媛県立松山南高等学校砥部分校、愛媛県立今治南高等学校
■九州・沖縄ブロックブロック (本戦大会進出枠1校)
福岡県立柏陵高等学校、八代白百合学園高等学校、沖縄県立真和志高等学校、沖縄県立浦添工業高等学校、学校法人興南学園興南高等学校
〈取材〉市井康延