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ライカ初のモノクロームフィルム「ライカMONOPAN 50」発売へ

ライカカメラ社は、36枚撮りのモノクロームフィルム「ライカMONOPAN 50」を2025年8月に発売する。

35mm判写真へのオマージュ──ライカ初のモノクロフィルムが登場

1925年に登場した「ライカI」は、35mm判という新しいフォーマットを確立。その登場から100年の節目の年に、ライカカメラ社は初の35mm判モノクロフィルム「ライカ MONOPAN 50」を35mm判写真へのオマージュとして発売する。オスカー・バルナックが追い求めた「小さなネガから大きな写真を」という理念を体現するこのフィルムは、ライカレンズの性能を最大限に引き出す設計となっている。「ノクティルックス」、「ズミルックス」、「ズミクロン」といった大口径ライカレンズと組み合わせでは、明るい光量の環境下でも絞り開放での撮影が可能となり、ライカならではのボケ味を楽しむことができる。

超高解像度×低感度が生み出す豊かな描写性能

「ライカMONOPAN 50」の特長は、ISO 50の低感度と最大280ラインペア/mmの驚異的な解像力にある。極めて微細な粒状性をもち、最大780nmまでのスペクトル感度をカバーする超パンクロマチック設計。これにより、光と影の繊細な階調がフィルム上に再現され、風景や建築、旅の情景をドラマチックに描写する。赤外線撮影にも対応し、ライカカラーフィルターとの併用でさらなる表現の幅を広げられる点も、フィルム撮影の醍醐味を知る世代にはたまらない仕様だ。

カメラ「LeicaIIIB」、レンズ「Summitar」で撮影された作例

クラシックなパッケージも魅力

「mono」はライカが2012年に初めて発表したデジタルモノクロームカメラ「Monochrom」シリーズに由来し、「pan」はこのフィルムの特長である優れたパンクロマチック感光特性を、「50」は感度(ISO 50)を表している。クラシックなビジュアルを意識したパッケージも魅力で、銀塩写真の真髄を味わいたいベテランから、新たにフィルムに挑戦する若手クリエイターまで、一度は撮影してみたくなるフィルムだ。