キヤノンは、静止画・動画どちらでも活用できる大口径ハイブリッド単焦点レンズF1.4シリーズとして「RF85mm F1.4 L VCM」を2025年9月27日に発売します。価格はオープンで、参考価格は236,500円 (税込)。
20mm、24mm、35mm、50mmに続くF1.4 L VCMシリーズとして5本目のレンズ。開放F値1.4の大口径中望遠レンズで、静止画・動画どちらもカバーするハイブリッド仕様となっています。長さはシリーズ99.3mmで統一され、67mmのフィルター径も共通。外観、重心、バランス、口径、リングの配置や描写も、シリーズ統一を実現しています。

■85mm大口径F1.4のボケと画面全域の高画質を堪能できる
「RF85mm F1.4 L VCM」は、大口径F1.4の明るさを最大限に生かした美しいボケ味と、画面全域での高画質を実現しています。ポートレート撮影に最適とされる85mmの焦点距離を持ち、大きなボケとピントが合った部分からのなめらかな描写で、被写体を際立たせた表現が可能です。

レンズ構成は10群14枚。GMo (ガラスモールド) 非球面レンズ1枚とUDレンズ1枚を効果的に配置することで、色収差を良好に補正し、画面全体で色にじみを抑えたクリアな描写が可能です。このレンズ配置は大口径マウントとショートバックフォーカスというRFマウントのメリットを生かした設計であり、画面周辺部に至るまで高画質化と小型化を両立しています。

また、レンズ表面にはキヤノン独自の技術であるASC (Air Sphere Coating) が施されており、主に垂直に近い角度の入射光に対して高い反射抑制効果を発揮し、フレアやゴーストの発生を抑制します。これにより、逆光などの厳しい条件下でもヌケの良いクリアな画質を保ちます。

■シリーズ共通の機動性を高める小型・軽量デザイン
最大径約76.5mm、全長約99.3mm、質量約636gというコンパクトさを実現し、同クラスのEFレンズ「EF85mm F1.4L IS USM」(約950g) と比較して約33%の軽量化を達成しています。持ち歩きに便利で、撮影時も周囲や被写体に威圧感を与えにくくなっています。
また、F1.4L VCMシリーズのレンズすべてで共通の外装デザインを採用しており、動画撮影時におけるレンズ交換の調整が少なく済み、撮影現場での使い勝手の良さも追求されています。高い機動性により、長時間の撮影や移動が多いシーンでも、クリエイターの負担を軽減し、より表現に集中できる環境を提供します。
■高速・高精度AFと動画撮影に優れた設計
フォーカス制御には、VCM (ボイスコイルモーター) によるリアフォーカス方式を採用しており、質量が大きなフォーカスレンズユニットを強力かつ高速に駆動します。このVCMによるフォーカス制御は、フォーカスブリージング (撮影距離の変化に伴う画角変動) の抑制と、俊敏かつ高精度なAFを両立しています。
特に動画撮影時には静かで滑らかなAFを実現し、フォーカスブリージングを抑制することでピント移動時の画角変化が少なく、プロフェッショナルな映像制作を強力にサポートします。さらに、動画撮影時の絞りをコントロールできるアイリスリングも採用されており、直感的な操作が可能です。「EOS R1」「EOS R5 Mark II」に装着した場合、静止画撮影においてもアイリスリングの設定が有効になります。
■さまざまな環境下で撮影できる高い信頼性
レンズの各部には防塵・防滴構造が採用され、レンズ最前面には水や油をはじくフッ素コーティングが施されているため、屋外の厳しい環境下でも安心して使用できます。


RF F1.4 L VCMシリーズ特設サイトがオープン
RF F1.4 L VCMシリーズを使った写真家のインプレッション、作品などを紹介する特設サイトがオープンしました。富取正明さん、鵜川真由子さんのインタビューは必見。
https://personal.canon.jp/articles/interview/rff14lvcm-series
キヤノン RF85mm F1.4 L VCM 主な仕様
対応マウント キヤノンRFマウント
焦点距離 85mm
開放絞り F1.4
最小絞り F16
画角 水平 24°、垂直 16°、対角線 28°30′
レンズ構成 10群14枚 (GMo非球面レンズ1枚、UDレンズ1枚)
絞り羽根枚数 11枚
最短撮影距離 0.75m
最大撮影倍率 0.12倍
フィルター径 67mm
最大径×長さ 約φ76.5×99.3mm
質量 約636g
付属品 レンズキャップ E-67 II、レンズダストキャップ RF、レンズフード ET-73C、レンズポーチ LP1219