2025年9月20日、東京都立川市・国営昭和記念公園にてヨドバシカメラ主催の「第6回 東京 昭和記念公園 モデル大撮影会」が開催された。
国営昭和記念公園で開催されるヨドバシカメラ大撮影会、2025年は6月に次いで2回目の開催となり、関東一円から参加者が集まった。ヨドバシカメラ大撮影会は30歳以下には参加料金の割引があり、高校写真部への招待などもあるため、比較的若い女性や高校生の参加者が多く、初心者でも参加しやすい。今回はいつもより高校生グループの参加者が多かったようだ。
講師のプロカメラマン12人、モデル22人、参加者約500人が集結
撮影会は午前と午後の部に分かれ、それぞれ2時間行われる。今回は約500人の参加者が集まった。当日は残念ながら、時々雨がぱらつく曇り空となったが、参加者の熱気により白熱した撮影会となった。指導講師は、日本を代表するプロカメラマン12人だ。

モデルは、日本を代表する事務所から厳選された総勢22人。撮影会中はカメラマン1人につき、モデル1〜2人の組み合わせでチームを組む。参加者は好きな写真家やモデルを選べ、途中から別のグループに移動するのも自由だ。前回に続き男性モデル2人も参加している。

メーカーブースでは最新機材を無料で貸し出し
各メーカーから最新機材を借りて、当日そのまま撮影に使用できるのも、ヨドバシカメラ大撮影会の特徴。キヤノン、ニコン、ソニーなど国内メーカーに加え、ライカやハッセルブラッドといった海外メーカーも参加。普段は借りるのも難しい高性能な機材でモデルを撮れる貴重な機会だけに、参加者も大喜びで貸し出しの列に並んでいた。

また、シグマやタムロンのレンズ、マルミやKaseのフィルター、マンフロットやスリックの三脚など、周辺機材やアクセサリーの各貸し出しブースも大いに賑わっていた。

講師陣の個性が光る撮影指導に密着! 取材スタッフも撮ってみた
秋はコスモスの花が咲き乱れるシーズン。織作峰子さんがさっそくモデルをコスモス畑に投入。「コスモスの花や緑を積極的に前ボケに生かすときれいに撮れます」。


山本まりこさんは、自身もコスモス畑に入り、モデル・あずりなさんの髪を自らなびかせて、印象的なシャッターチャンスを作っていた。「髪の広がるタイミングを見て、連写で狙ってね」。


佐藤倫子さんは細かくモデルを観察しながら、「ここから狙ってみて! ここからもいい感じよ」と、参加者が一方向からばかり撮影しないように積極的に声がけを行っていた。


女性カメラマンのグループには女性の参加者が集まることも多い。その江さんが友人のように指導中。何を狙っているのかな?


残念ながら一時的に雨が強くなる場面も。素早く榎並悦子さんが傘を開いてモデルに渡す。「どんな天気でもシチュエーションを生かせば写真は撮れます」。

「光の当たり方をよく見て! この葉っぱの前ボケを生かして撮ってみて」と山岸伸さん。ポートレート撮影にとって大切なポイントを心がけるように指導を行っていた。


「こんな感じで撮ると、ほら、こんなふうに写るよ」と、塙さん自らが積極的に撮ってその作例を見せるのが塙真一さんスタイル。

上田晃司さんは「コキアがきれいに色づいているので、できるだけ人工物を入れないように角度を工夫して撮ってみてください」と指導。参加者は一生懸命ポイントを探して移動していた。

雨にも負けず土屋勝義さんの熱血指導が続く。「曇りで全体に青っぽくなるから、WBを [曇り] にするか、マニュアルで黄色を強めると印象的になります」。

中西学さんは、広場の大きな木の下に移動。手の届く高さに広がる枝を使ってシーンを演出。「この状況いいよね! 往年のアイドル写真っぽく狙ってみて」。

HARUKIさんは、光の読み方やシチュエーション別の撮り方をていねいに実演中。「雨が降ったら、濡れないようにモデルのケアも大切です」。

西尾豪さんは初心者講習を担当。カメラの設定からモデルとのコミュニケーション、写真の選び方まで親切丁寧に説明してくれるから、ポートレート初心者でも安心だ。「ポートレートに向くレンズをメーカーのブースで貸し出ししているので、ぜひ借りて午後の部で使ってみてください」。


参加者とモデルにインタビュー
初心者講習では、中判カメラで撮っている参加者を発見。普段は中判カメラで風景やスナップを撮っているという末永夫妻に話を聞いた。「ポートレート撮影を体験してみたかったのと、機材を貸していただけると聞いて参加しました。被写体と背景を気にしたことがなかったので、背景の生かし方のいい勉強になりました」(末永征伸さん)。「借りたハッセルブラッドの立体感にうっとりしました。次は個撮に挑戦してみたいです」(末永望さん)。

最後に、モデルの夢祭さん、あずりなさんに今回の感想を聞いた。「撮影会モデルというのが初めてで、とても興味深かったです。男性の参加者からもたくさん撮っていただき光栄でした。シャボン玉を使った撮影が楽しかったです」と、男性モデルの夢祭さん。「たくさんのカメラマンさんと写真を通じて出会えて、とても楽しい時間を過ごせました。皆さん真剣に撮影していて、カメラ愛の強さと、被写体となるモデルを美しく撮りたいという気持ちがすごく伝わってきて、こちらも精一杯頑張らせていただきました」とあずりなさん。

残念ながら天気に恵まれなかった今回のヨドバシカメラ大撮影会だったが、光線状態が変化しないことから撮影しやすく、落ち着いて撮影できた面もあった。また、制約の多い中で、逆にそのシチュエーションをどう生かすか、どう撮影するかを深く考えるきっかけになったと思う。何より、いつ雨が降るかわからない緊張感が、普段より参加者の集中力を極限まで高めてくれた。参加者もきっと良い写真が撮れているはずだ。
今後のヨドバシカメラ撮影会
2025年のヨドバシカメラ撮影会は、10月以降も開催を予定している。また、2026年も積極的に撮影会を開催するとのこと。ヨドバシカメラのWEBサイトをチェックしておこう。
■2025年10月13日 (月・祝)
名古屋 COPPA CENTRO GIAPPONE 2025 フォトウォーク
■2025年10月18日 (土)
第1回 名古屋 ガーデンふ頭臨港緑園 モデル大撮影会
■2025年11月1日 (土)
第8回 横浜鶴見 曹洞宗大本山總持寺 舞妓はん撮影会
■2025年11月8日 (土)
第3回 京都 賀茂別雷神社 (上賀茂神社) 舞妓はん撮影会
※参加の申し込みはヨドバシカメラのWEBサイトまたは店頭にて。
https://www.yodobashi.com/store/300023/
〈文〉稲葉利二 〈写真〉稲葉利二、松村広行