ハービー・山口さんが個展『時間(とき)のアトラス』を開催する。これまでに世界各地で撮影した作品から新たな視点で構成した。
いつでも、どこにいようとも
「写真を何気なく見返していたとき、似た写真があることに気づいて、その2枚を並べてみたのがきっかけです」
上の写真は右が1974年にフィンランドを訪れた際に撮影、左が2002年に東京で撮影したものだ。時代も国も異なる2枚をあえて組み合わせることで、見えてくるものがあった。
「この2人の女性は年齢も異なりますが、人の行動や仕草にはこういった共通点があるのですね。赤ちゃんを抱くお母さんの組写真からは、母親の普遍的な愛情が浮かび上がってきます」
そしてもう一つ、気づいたことがあるとハービーさんは語る。自分自身が心動かされる一瞬の普遍性だ。
「いつ、どこにいても探し求めているものは変わらないのかもしれませんね」
思いがけず新たな光が当てられた作品群。40年以上にわたり真摯にシャッターを切り続けてきたハービーさんだからこそ、実現した写真展と言えよう。
ハービー・山口写真展「時間(とき)のアトラス」
会期 2018年10月17日(水)~11月10日(土)
会場 Kuwabara Kiyoyuki Accounting Gallery(KKAG)
住所 東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル405
時間 15:00~21:00
休館日 月曜・火曜
料金 無料
問い合わせ KKAG(TEL 03-3862-1780)
〈文〉鬼沢幸江