中井菜央さんの写真展「繡(しゅう)」が、2018年12月3日(月)よりRoonee 247 Fine Artsにて開催される。
無限に関わり合う結び目を
中井さんが9年間にわたって取り組んできたシリーズを『繡(しゅう)』と題して発表する。自身初となる写真集を上梓すると同時に写真展も開く。
「アルツハイマーを患った祖母と向き合い、生きていることの根幹を見つめ直したのが出発点です。祖母の今を捉えようと心がける中で気づいたのは、写真に写っているのは個の存在としての祖母だということ。人は自分にも他人にも意味やイメージを重ねて見るものですが、それらを超えたところに個の存在がある。そしてそれは人物以外にも言えると考えるようになりました」
世界は個の存在が無限に関わり合っている。その結び目の多くは人に注目されることなく消えゆくものだ。撮影の後半、中井さんは風景や動植物など、日々に出会った「無名の」とも言うべき結び目を求め、作品を完成させた。
「晩年、祖母は自分自身を生きていても意味がないものになっていくと言っていましたが、その祖母を見て私は作品を生み出した。個の存在として在り続け、私にも、世界にも欠くことのできない結び目をもたらしていたのです」
■中井菜央写真展「繡(しゅう)」
会期 2018年12月3日(月)~9日(日)
会場 Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ・247ファインアーツ)
住所 東京都中央区日本橋小伝馬町17-9 さとうビルB館4F
時間 12:00〜19:00(最終日は18:00まで)
休館日 月曜
料金 無料
トークイベント
1. 2018年12月3日(月)18:00~19:00 中井菜央×姫野希美(赤々舎 代表)
2. 2018年12月7日(金)19:00〜20:30 中井菜央×菅沼比呂志(インディペンデントキュレーター)
3. 2018年12月8日(土)18:00〜19:30 中井菜央×赤城耕一(写真家)
※申し込みはルーニィへ電話にて。
問い合わせ Roonee 247 Fine Arts(TEL 03-6661-2276)
〈文〉鬼沢幸江