デジタル全盛の今、あえてアナログにこだわる「ゼラチンシルバーセッション」写真展

デジタル時代全盛の中、銀塩写真の魅力を探求し、伝える。2006年に4人の写真家が立ち上げたプロジェクトが「ゼラチンシルバーセッション(GSS)」だ。このほど10回目を数える企画展が東京・六本木にある2つのギャラリーで開かれる。フジフイルム スクエアとAXISギャラリーである。

 

ゼラチンシルバーセッション(C)広川泰士

 

フィルムによる写真は撮影時の光のコントロールも重要だが、暗室での作業がプリントの仕上がりを大きく左右する。ネガを透過する光の量、時間を見極め、印画紙にイメージを焼き付ける。それは身体的な作業でもある。

第1回の展示では写真家の藤井保さん、広川泰士さん、平間至さん、瀧本幹也さんがそれぞれに撮ったネガを交換し、プリントしたものを展示した。同じネガでも4人が違う解釈と感性を持つことを明確に示した。

回を重ねるごとにこの活動に賛同する写真家が増え、今回のAXISギャラリーでの展示には50名が参加する。「100年後に残したい写真」をテーマに、それぞれが未発表の写真を出品。5月3日(金・祝)にはトークセッションを開くほか、参加写真家と交流できるPhoto BARも行なう。

 

ゼラチンシルバーセッション(C)平間至

 
フジフイルム スクエアでの企画写真展では、第1回のGSS展で展示された4氏のネガ交換によるプリントを見せるほか、39名の写真家による約80点を紹介する「FUJIFILM ACROS × 39 Photographers」を催す。4月27日(土)にはプロジェクトを始めた4氏が参加するトークイベントを開く。

 

■The 10th Gelatin Silver Session「100年後に残したい写真」

会期 2019年4月26日(金)~5月6日(月)
会場 AXIS GALLERY(アクシスギャラリー)
住所 東京都港区六本木5-17-1 AXISビル
時間 11:00~19:00(最終日は18:00まで)
休館日 会期中無休
料金 300円(税込) 学生無料
問い合わせ アクシスギャラリー(TEL 03-5575-8655)

 

■藤井保 広川泰士 平間至 瀧本幹也「すべてはここからはじまった」
■FUJIFILM ACROS × 39 Photographers

会期 2019年4月26日(金)~5月9日(木)
会場 FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)
住所 東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン
時間 10:00〜19:00(最終日は14:00まで 入館は閉館10分前まで)
休館日 会期中無休
料金 無料
問い合わせ フジフイルム スクエア(TEL 03-6271-3350)

 

■関連イベント

<アクシスギャラリー>

暗室ワークショップ
会期中毎日13:30〜15:00と15:30〜17:00の2回開催。会場内に設置された暗室内で、写真家と一緒にプリント作業を行なう。参加費3,000円、要予約。各回先着2名。

Photo BAR
4月26日(金)・27日(土)17:00〜20:00 ほか。予約不要。追加日程はTwitter(@GSS_news)で確認を。

トークイベント1「吉原家の140年」
5月3日(金・祝)18:30~20:00開催。出演はピーター・バラカン、吉原悠博(吉原写真館)、平間至、広川泰士。予約不要。

トークイベント2
4月28日(日)13:00〜14:00開催。出演は演劇作家・藤田貴大(マームとジプシー)、草野庸子、小林真梨子、野村由芽(編集者)。予約不要

 

<フジフイルム スクエア>

トークイベント「ゼラチンシルバーセッション10回の軌跡」
4月27日(土)14:30~16:00開催。出演は藤井保、広川泰士、平間至、瀧本幹也、幅允孝(ブックディレクター)。先着150名。申し込みは電話またはWEBサイトの申し込みフォームにて。

 

 

 

 
〈文〉市井康延