写真活動60年の“玉手箱をひっくり返した”立木義浩写真展「時代」

写真活動60年、立木さんが『時代』と題し、上野の森美術館で個展を開く。1階と2階の会場に約500点もの作品を一堂に集めた大規模展だ。

 

時代 ─ 立木義浩写真展 1959-2019 ─

 

作品は、大きく分けて著名人たちのポートレートとスナップの2つの世界から成る。さらに年代別に分けたり、代表作の『舌出し天使』や『MY AMERICA』などをシリーズごとに見せたりと工夫を凝らした。立木さんは、この5月に撮り下ろす作品も加えたいと話す。
「昭和から平成に元号が改められたときに都内で撮影した写真と、令和を迎えるときの写真を展示できたら、と」

写真を見て、かつてを懐かしく思い起こす人もいれば、「こんな時があったのか」と新鮮に受け止める若い世代もいるだろう。人それぞれに、歩んだ「時代」があり、感じ方は千差万別だ。
「写真という観点からは、デジタルのカラー写真が主流の今、若い人には銀塩のモノクロ写真も見てもらいたい。ずっと昔からあるよと伝えたいですね」

立木さん自身、「玉手箱をひっくり返したような」と形容するこの写真展は、まさに集大成と言いたくなるが、さにあらず。「通過点」として開かれる。

 

■時代 ─ 立木義浩写真展 1959-2019 ─

会期 2019年5月23日(木)〜6月9日(日)
会場 上野の森美術館
住所 東京都台東区上野公園1-2
時間 10:00〜17:00(金曜は20:00まで 入館は閉館30分前まで)
休館日 会期中無休
料金 一般1200円 高大生800円 中学生以下無料
問い合わせ 上野の森美術館(TEL 03-3833-4191)

 

 

 
〈文〉鬼沢幸江