現実とフィクションの境界に誘う。ヴァサンタ ヨガナンタン写真展「A Myth of Two Souls」

古代インドの壮大な叙事詩を現代的に解釈し直し、写真で綴る一大プロジェクトが「A Myth of Two Souls」だ。フランス人写真家のヴァサンタ ヨガナンタンさんによる写真展が東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開かれる。会期は2019年9月3日から29日で、入場無料。

 

ヴァサンタ ヨガナンタン写真展「A Myth of Two Souls」

 

ヨガナンタンさんは1985年に生まれ、現在はパリを拠点に活動する。原典のラーマーヤナはラーマ王が囚われの身となった妻を奪還する物語だ。ヨガナンタンさんは2013年からインドを旅して、このストーリーを現代の生活と重ね合わせて再構築した。2015年にはこのプロジェクトの制作で、マグナム・フォト・アワードに選ばれ活動資金のサポートを受けている。

撮影は4×5判の大型カメラを使い、モノクローム写真には伝統的な手彩色を学んだインド人画家が色付けをしている。物語は全7章あり、それに対応した7冊のフォトブックを制作中で、2020年に完成予定だという。

ヨガナンタンさんは写真家の川内倫子さんと2017年より交流があり、会期中トークイベント(受付終了)も企画されている。ともにフィルムでの表現を選び、写真集制作にも共通点が見られるようだ。

 

ヴァサンタ ヨガナンタン写真展「A Myth of Two Souls」

 

■ヴァサンタ ヨガナンタン写真展「A Myth of Two Souls」

会期 2019年9月3日(火)~29日(日)
会場 シャネル・ネクサス・ホール
住所 東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
時間 12:00〜19:30(初日は17:00まで)
休館日 会期中無休
料金 無料
問い合わせ シャネル・ネクサス・ホール事務局(TEL 03-3779-4001)

 

 

 

〈文〉市井康延