ちひろ美術館・東京は2019年11月1日から2020年1月31日まで石内都展「都とちひろ ふたりの女の物語」を開く。
昨年、いわさきちひろが生誕100年を迎え、さまざまな作家とコラボレートするLife展を企画した。そこで石内さんは出展を依頼され、その縁から今年1月、安曇野でちひろの遺品を撮影することになった。
本展に出品する写真は、その新作29点で構成した「1974.chihiro」と、石内さんが自らの母(藤倉都さん)の遺品を撮影した代表作「Mother’s」から27点だ。
石内さんはちひろを深く知るまで、自分とは別世界の人だと感じていた。しかし、母と2歳違いで、戦時中に満州に渡ったこと、互いに再婚同士で家族を経済的に支えたなどの共通点がわかり、人間的にも興味が生まれてきたという。
撮影した服や化粧品などからは、ちひろの絵本画家とはまた違う一人の女性としての姿が透けて見えてくる。また、ちひろの作品は人物デッサンを中心に展示。常に他者を冷静に観察していた画家の姿がそこにある。
石内都展「都とちひろ ふたりの女の物語」
会期 2019年11月1日(金)~2020年1月31日(金)
会場 ちひろ美術館・東京
住所 東京都練馬区下石神井4-7-2
時間 10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜(祝日の場合は翌平日休館)、12月28日〜1月1日
料金 大人800円、高校生以下無料
問い合わせ ちひろ美術館・東京(TEL03-3995-0612)
関連イベント
■対談 石内都×上野千鶴子「ふたりの女の物語 都とちひろ」
11月30日(土)15:00〜16:30、会場にて。石内都さんと社会学者の上野千鶴子さんが、女が働くこと、生きることについて語り合う。参加費1000円(別途入館料が必要)、定員60名。参加の申し込みは、10月30日(水)10:00よりWEBサイトの申し込みフォームにて。
https://chihiro.jp/tokyo/events/96308/
■松本猛 ギャラリートーク
11月10日(日)15:30〜、会場にて。いわさきちひろの長男でもあるちひろ美術館常任顧問・松本猛さんが作品にまつわるエピソードを語る。参加無料、予約不要。
■ギャラリートーク
毎月第1・3土曜 14:00〜、会場にて。美術館スタッフが展示の見どころを紹介する。参加無料、予約不要。
■感謝デー
12月15日(日)は、いわさきちひろ101回目の誕生日を記念して入館料が無料になる。
〈文〉市井康延