約5年間、東京・築地で数多くの写真展を開催してきた「コミュニケーションギャラリー ふげん社」が目黒へ移転する。こけら落としとして2月5日から3月1日まで、土田ヒロミ写真展「Aging1986〜2018」を開く。33年分のセルフポートレートと映像作品を展示。期間中、トークショーも開催予定。
ふげん社は渡辺美術印刷株式会社が立ち上げたスペースで、ギャラリーとブックカフェを併設していた。ギャラリーを開設後の2016年には出版部門を立ち上げ、本づくりもスタートさせている。
当初、特定のジャンルに限らず運営し始めたが、最初の企画展で細江英公「薔薇刑」を開いた。「写真家との出会いが多くありました。写真は印刷と同じ複製技術で親和性が高かったのかもしれません」と同社の関根史さんは話す。
これまで開催した展示会は95回。ほとんどがふげん社からオファーした企画で「現代に生きるアーティスト自身の生き方そのものが現れている、芯の通った作品を展示したい」という。
水越武「天上のモノクローム」、大石芳野「福島 土と生きる・今」、大西みつぐ「川の流れる町で」など話題の展示のほか、表参道で愛された喫茶店の風景を捉えた関戸勇写真展や、移転前の築地市場を取材した新納翔展など、独自のアンテナによる企画も数多く行なってきた。また落語会や抽象画のワークショップ、海外のアーティストを招いてのトークショーなども開いてきた。それは「領域横断的な出会い、交流が生まれる場にしたい」との想いからだ。
移転は築地の再開発による。新スペースは3フロアでカフェと書店、ギャラリーなどを置く。
土田ヒロミ写真展「Aging 1986-2018」
会期 2020年2月5日 (水) 〜3月1日 (日)
会場 コミュニケーションギャラリーふげん社
住所 東京都目黒区下目黒5-3-12
時間 12:00~19:00 (土曜・日曜は18:00まで 2月14日・28日は21:00まで)
休館日 月曜・祝日 (2月23日は開館)
料金 無料
問い合わせ ふげん社 (TEL 03-6264-3665)
関連イベント
いずれも写真展会場にて。参加費1,000円、要予約。申し込みはふげん社へ。
https://fugensha.jp/events/20200205_aging/
- 2月8日 (土) 15:00〜16:30 トークショー 土田ヒロミ × 飯沢耕太郎 (写真評論家)
- 2月15日 (土) 14:00〜15:30 トークショー 土田ヒロミ × 福岡伸一 (生物学者)
- 2月22日 (土) 14:00〜15:30 土田ヒロミによるポートフォリオ・レビュー (定員20名)
〈文〉市井康延