京都の伝統文化を支える職人たちに密着した写真展「継ぐもの -In between crafts-」

京都というと寺社や祭事などが注目されがちだが、伝統工芸を受け継ぐ職人たちの存在も忘れてはいけない。京都伝統産業ミュージアムでは町田益宏さんの写真展「継ぐもの -In between crafts-」を開く。

 

町田益宏写真展「継ぐもの -In between crafts-」
堤淺吉漆店

 

町田さんは写真家として独立したとき、京都を活動拠点に決めた。伝統が脈々とつながれる場所で生活し、伝統工芸などに携わる職人たちの生活に興味があったからだ。

今回選んだ6つの工房は3代以上続き、30代や40代の担い手がいる。京都ならではのものづくりであり、伝統的な技法を守り、かつ未来につなげようとしている京提灯の小嶋商店、西陣織の紫紘株式会社、漆精製の堤淺吉漆店、佐波理製鳴物神仏具の南條工房、神具指物の牧神祭具店、和鏡の山本合金製作所だ。

 

町田益宏写真展「継ぐもの -In between crafts-」

 

町田さんは工房の日常に入り込み、中判デジタルカメラでその風景と家族の姿を捉えていった。磨く、織る、削るなど一見単純な行為だが、職人は五感を使ってモノと会話し作業を進める。一人一人が体で覚えることでしか伝承できない技術がある。「どの工房も時代に合わせて変えていくことと、守り続ける部分でバランスを保ちながら家業を継承されていました」と町田さん。

8月29日には15時からトークイベントを開く。町田さんと、被写体となった山本合金製作所の山本さんと堤淺吉漆店の堤さんなどを招き、「継承」について、また写真について語る。この模様はFacebookライブで生配信される。

 

 

町田益宏写真展「継ぐもの -In between crafts-」

会期 2020年8月22日 (土) ~10月18日 (日)
会場 京都伝統産業ミュージアム 企画展示室
住所 京都市左京区岡崎成勝寺町9-1 京都市勧業館みやこめっせB1F
時間 9:00~17:00 (入館は閉館30分前まで)
休館日 会期中無休
料金  一般500円、高校生以下無料
問い合わせ 京都伝統産業ミュージアム (TEL 075-762-2670)

イベント (事前予約制)

  • 8月29日 (土) トークイベント
  • 9月13日 (日) 和鏡づくりワークショップ
  • 9月27日 (日) おりんの音色で作る癒しのサウンドづくり
  • 10月10日 (土) ちび丸作り

実演

  • 8月23日 (日) 山本合金製作所 : 和鏡
  • 8月29日 (土) 小嶋商店 : 京提灯
  • 9月12日 (土) 小嶋商店 : 京提灯
  • 10月3日 (土) 山本合金製作所 : 和鏡

 

 

 

〈文〉市井康延