原美術館の最後を飾る企画展「光―呼吸 時をすくう5人」

東京・品川にある原美術館で「光―呼吸 時をすくう5人」が開幕した。会期は2021年1月11日まで。本展で同館は閉館する。

 

光―呼吸 時をすくう5人
佐藤時啓「光-呼吸」 2020年 © Tokihiro Sato

 

本展で取り上げる作家は、そこにある時間や空間に光を当て、自身を取り巻く社会の息遣いをカタチにし続けている。写真家の出品は今井智己さん、城戸保さん、佐藤時啓さん。モチーフはそれぞれだが、「過去のある時を表すものではなく、現在、また未来へと続く時間が感じられる」と同館の坪内さんは話す。

 

佐藤時啓さんには、ここ原美術館と群馬の別館 ハラ ミュージアム アークで新作の撮影を依頼した。「美術館の40年を内包し、2021年春から群馬で始まる原美術館ARCへ続く時空間を作品化してもらいたかった」と坪内さん。

 

今井さんは福島第一原発から30km圏内の山頂から撮影した「Semicircle Law」と、原美術館から第一原発方向を撮影した新作などを出品。城戸さんは風景の中にあるズレを見い出し、「見る事や在る事の不思議」を提示する。

 

それぞれの作家による作品は、美術館の空間で緩やかに交叉し共鳴する。入館は予約制。

 

光―呼吸 時をすくう5人
今井智己 「Semicircle Law #42 2018.9.11 / 33km」2020年 C-print ©Tomoki Imai

 

光―呼吸 時をすくう5人

会期 2020年9月19日 (土) 〜2021年1月11日 (月・祝)
会場 原美術館
住所 東京都品川区北品川4-7-25
時間 11:00〜16:00 (土・日・祝日は17:00まで)
休館日 月曜 (祝日の場合は開館し翌平日休館)、12月28日〜1月4日
入館料 一般1100円、高大生700円、小中学生500円
問い合わせ 原美術館 (TEL 03-3445-0651)

※入館にはWEBサイトからの予約が必要。
http://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/visiting/

 

 

 

〈文〉市井康延