コロナ禍で開催延期となった「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2020」が2020年9月19日に開幕した。
今回掲げたテーマは「VISION」。10のメインプログラムを京都市内14会場で行ない、アソシエイテッドプログラムとして3つの関連企画を開く。来場者の安全を考慮してイベント数を減らす一方で、オンラインコンテンツをオフィシャルサイトに公開している。
メイン企画に登場する日本人写真家は4名。義足である自らの身体を使った作品を制作する片山真理さん、京の日常を50年来撮り続ける甲斐扶佐義さん、自作の大型カメラとガラス湿板写真を使い過去から未来へとつながるイメージの定着を試みる外山亮介さん、昨年のKG+アワードでグランプリを受賞した福島あつしさんだ。
このほか、香港からはアジア的な叙情豊かな写真で世界が注目するウィン・シャさん、オランダ人のマリアン・ティーウェンさんは2軒の京町家を再構築したインスタレーションと写真作品を発表。セネガル出身のオマー・ヴィクター・ディオプさんによる京都の店主のポートレートや、フランスのマリー・リエスさんは目で見ている世界と目では見えない世界をつなぐ空間を提示する。
開催の延期によって運営資金が超過したことで7〜8月にクラウドファンディングを実施。740名以上から1000万円を超す支援を得るとともに、この催しへの支持の高さを示した。また、京都の出町枡形商店街に常設のプロジェクトスペース「DELTA」を新設したほか、新たな取組みも行なっている。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2020
会期 2020年9月19日 (土) 〜10月18日 (日)
時間・休館日 会場により異なる
料金 パスポート 一般4000円、学生 (大学・高校・専門学校) 3000円、中学生以下無料
※会期中の全メインプログラム会場に各1回のみ入場可能。
問い合わせ KYOTOGRAPHIE事務局(TEL 075-708-7108)
メインプログラム会場
- NTT西日本 三条コラボレーションプラザ
- 嶋臺ギャラリー (片山真理))
- HOSOO GALLERY (エルサ・レディエ)
- 誉田屋源兵衛 竹院の間 (ウィン・シャ)
- 伊藤佑 町家 (福島あつし、マリアン・ティーウェン)
- 両足院 (外山亮介)
- 京都府庁旧本館 正庁 (ピエール=エリィ・ド・ピブラック)
- 京都府庁旧本館 旧議場 (オマー・ヴィクター・ディオプ)
- 出町桝形商店街 (オマー・ヴィクター・ディオプ)
- DELTA / KYOTOGRAPHIE Permanent Space (オマー・ヴィクター・ディオプ)
- アトリエみつしま Sawa-Tadori (マリー・リエス)
- 河合橋東詰歩道 (甲斐扶佐義)
- タネ源 (甲斐扶佐義)
- 青龍妙音弁財天 (甲斐扶佐義)
- 京都駅ビル 空中径路 (甲斐扶佐義)
アソシエイテッド・プログラム会場
- 大垣書店京都本店 イベントスペース -催-
- 立命館大学国際平和ミュージアム 中野記念ホール (加賀谷雅道)
- 妙満寺 大書院 (瀧本幹也)
- Sfera (瀧本幹也)
KG+会場
〈文〉市井康延