岡嶋和幸さんの写真展「海のほとり」が、2020年10月2日より開催される。
写真による日本地図に挑む
岡嶋和幸さんはライフワークとしてアイルランドやスコットランドに通い、海岸線に沿って旅を重ねるなか、徐々にその軸足を日本の海辺に移してきた。千葉の御宿に移住して10年目のころから、地元の住民であるアドバンテージを最大限に生かそうと考えたという。
当時の作品は2009年の『潮彩』と2010年の『くろしお』というタイトルで波の表情を中心にまとめられた。海と人の関係性に着目し、風景として捉えたのは2012年の『九十九里』。今回の作品はそれを発展させた続編だ。カメラ雑誌で連載中の写真を含めて13のストーリーを紡いだ。
「テーマは風土。同じ日本でも風土に地域差はあるのですが、それらの写真をランダムに並べてみると、全体としてつながっているのがわかります」
遠くは山陰や故郷の福岡にも足を運んだ。岡嶋さんは海辺でふと、実測による日本地図を初めて作った伊能忠敬に思いを馳せることがあると語る。
「私も少しずつ行動範囲を広げながら各地の海辺のありさまを捉えることで、写真による日本地図を描いてみたい」
今夏の静かな海辺まで約1年間の情景を集めた『海のほとり』。プリントや額装にも工夫を凝らして展示される。
岡嶋和幸写真展「海のほとり」
会期 2020年10月2日 (金) ~29日 (木)
会場 エプサイトギャラリー
住所 東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル エプソンスクエア丸の内1F
時間 11:00〜17:00 (最終日は14:00まで)
休館日 日曜
料金 無料
問い合わせ エプソンスクエア丸の内 (TEL 03-6775-9481)
〈文〉鬼沢幸江