小さな島での写真展を再現する 熊切圭介×熊切大輔「カオハガン島 天使の小径の写真展」

サンゴ礁に囲まれ、美しい自然と島民が共生する島がフィリピンにある。セブ島の南10kmにある小さな島だ。その生活を紹介する熊切圭介×熊切大輔「カオハガン島 天使の小径の写真展」が、オリンパスギャラリー東京と大阪で開かれる。

 

熊切圭介×熊切大輔写真展「カオハガン島 天使の小径の写真展」
崎山克彦さん、熊切圭介さんと島の人たちが記念撮影。

 

この島は日本人が所有する島としても知られる。1991年に崎山克彦さんが購入し、そこに住んでいた人とともに理想的なコミュニティを目指して暮らし始めた。友人の一人だった写真家の熊切圭介さんも島に通い、その生活を撮影してきた。「年に一度は必ず行き、島で年越しを迎えることもありました」と圭介さんの息子・大輔さんは話す。

 

それらの写真は『世界でいちばん住みたい島』などのフォトエッセイにもなったが、肝心の島の人たちが目にすることはなかった。そこで2人は島で写真展を開くことにした。2014年12月のことだ。
「島は父の聖域でしたから、意識的に近づきませんでした。それが父に『手伝え』と誘われ、初めて上陸しました」

 

島民が「天使の小径」と呼ぶ子どもたちの通学路を写真展会場に選び、木と木にロープを張り、そこに写真を吊るした。大輔さんは3日間滞在し、島が始まって以来のイベントの様子を記録。島民たちは初めて写真で見る自分たちの姿を、不思議そうに、また楽しそうに眺めていたそうだ。
「リゾート地ではありますが、島の生活は変わらないままで、独特の温もりが感じられる場所でした」

 

会場では天使の小径で行なった島の写真展を再現する試みとなる。出展は約90点。

 

熊切圭介×熊切大輔写真展「カオハガン島 天使の小径の写真展」

<東京>

会期 2020年10月23日 (金) ~11月4日 (水)
会場 オリンパスギャラリー東京
住所 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビルB1F オリンパスプラザ東京内
時間 10:00〜18:00
休館日 木曜
料金 無料
問い合わせ オリンパスギャラリー東京 (TEL 03-5909-0191)

<大阪>

会期 2020年11月13日 (金) ~18日 (水)
会場 オリンパスギャラリー大阪
住所 大阪府大阪市西区阿波座1-6-1 MID西本町ビル1F オリンパスプラザ大阪内
時間 10:00〜18:00
休館日 木曜
料金 無料
問い合わせ オリンパスギャラリー大阪 (TEL 06-6535-7911)

 

 

 

〈文〉市井康延