馬場道浩さんの写真展「MW」が、2021年3月2日より開催される。
美しく繊細な世界を描く
「MW」は、馬場道浩さんがフリーランスとして独立する前後の1989年から1991年にかけて制作した作品だ。タイトルは「Man & Woman」を意味する。植物の持つ女性的、男性的なフォルムを独特の感性で描いたシリーズで、初期の作品はAPA (日本広告写真家協会) 展で特選賞を受賞。その後も継続的に撮影を重ねた。
「独立後はアパートの狭い一室が主なスタジオ。白い紙を張り、クリップオンストロボ2灯で撮影していました」
この作品はポラロイドフィルムを用いているのが大きな特徴といえる。ポラロイドフィルムは、当時の広告写真の撮影現場では露出や構図、ピントの確認用に使われる、いわば消耗品であったが、馬場さんはこれを生かしたのだ。ポジプリントとネガフィルムを一度に生成できるモノクロ4×5サイズの「Polaroid Type-55」によって、美しく繊細な世界を創り上げた。
写真展では、そのモノクロ作品60点とカラー作品1点を展示する。後者は「Polaroid Type-59」の乳剤が残ったネガを版画のように紙に転写したオリジナルプリント。30年の時を経てなお色褪せることのない作品群である。
馬場道浩作品展「MW」
会期 2021年3月2日 (火) 〜28日 (日)
会場 JCIIフォトサロン
住所 東京都千代田区一番町25 JCIIビル1階
時間 10:00〜17:00
休館日 月曜 (祝日の場合は開館)
料金 無料
問い合わせ JCIIフォトサロン (TEL 03-3261-0300)
〈文〉鬼沢幸江