鶴巻育子さんの写真展「夢」が、2021年4月11日まで開催される。
現実であり夢でもある
前作の「PERFECT DAY」からちょうど1年、鶴巻育子さんが「夢」と題して作品を発表する。これまでは海外でのスナップが多かったが、この作品は国内のみで、ほとんどが東京の身近な場所で撮影されている。また、モノクロ作品とした点も特徴といえる。
「前作までは街で出会った人や風景をリアルな存在として受け止め、心が動く今という瞬間を写してきましたが、次第に現実味を感じないモチーフや場面に目が向くようになっていきました」
あらゆるものから自分が切り離されたような、現実と知りながらも夢を見ているようなリアリティのない感覚の中で写真を撮り、プリントを作り、それらの像は明らかに夢ではなく現実であると再確認する、と鶴巻さんはいう。
「心の迷い、はかないこと、たよりにならないこと。夢という言葉にはそのような意味もありますが、迷いながら私が撮る現実は、まさに夢の中の光景なのです」
作品は2017年から今年1月までに撮影したものをまとめた。写真展では写真集に収録した中から約20点を展示する。ライフワークとなり得るシリーズ化へ向けた第一作である。
鶴巻育子写真展「夢」
会期 2021年3月23日 (火) ~4月11日 (日)
会場 Jam Photo Gallery
住所 東京都目黒区目黒2-8-7 鈴木ビル2階B号室
時間 12:00〜19:00 (日曜は17:00まで)
休館日 月曜
料金 無料
問い合わせ Jam Photo Gallery (TEL 050-5438-2134)
〈文〉鬼沢幸江