第45回伊奈信男賞・甲斐啓二郎さんと第22回三木淳賞・飯沼珠実さんの受賞作品展開催

2020年度のニコンサロン年度賞が発表された。伊奈信男賞は甲斐啓二郎さんの「骨の髄 / Down to the Bone」、三木淳賞は飯沼珠実さんの「JAPAN IN DER DDR – 東ドイツにみつけた三軒の日本の家」が選ばれた。2021年3月30日より受賞作品展が開催される。

第45回 (2020年度) 伊奈信男賞 : 甲斐啓二郎「骨の髄 / Down to the Bone」
甲斐啓二郎「骨の髄 / Down to the Bone」より

第45回 (2020年度) 伊奈信男賞 : 甲斐啓二郎「骨の髄 / Down to the Bone」

伊奈信男賞は、ニコンサロンで年度内に開いた写真展で最も優れた展示を選ぶ。賞金100万円と、副賞にニコンのデジタルカメラが贈られる。

甲斐さんは祭事の中でも、参加者が身体を使い、格闘する奇祭を選び取材してきた。彼の関心はその催しを精緻に記録することではない。人々がぶつかり合う瞬間の息遣いや、そこで放たれる生命力などを捉えようとした。そこで撮影機材に中判レンジファインダーを選び、自ら祭りの輪の中に飛び込み撮影している。

第22回 (2020年度) 三木淳賞 : 飯沼珠実「JAPAN IN DER DDR – 東ドイツにみつけた三軒の日本の家」

三木淳賞は、対象期間の写真展から新進作家を顕彰する。2年以内に受賞新作展を開く制作支援金300万円と、副賞にニコンのデジタルカメラを授与する。

飯沼さんは東ドイツにある3軒のホテルを被写体に選んだ。日系企業が建設したもので、その佇まいは「親しい友人と会うような感覚」を飯沼さんに与えた。建築物が持つ記憶をすくい取り、見る者へ経過した時間を問いかける。

第22回 (2020年度) 三木淳賞 : 飯沼珠実「JAPAN IN DER DDR - 東ドイツにみつけた三軒の日本の家」
飯沼珠実「JAPAN IN DER DDR – 東ドイツにみつけた三軒の日本の家」より

ニコンサロン年度賞受賞作品展

会期
■甲斐啓二郎「骨の髄 / Down to the Bone」
2021年3月30日 (火) 〜4月12日 (月)

■飯沼珠実「JAPAN IN DER DDR – 東ドイツにみつけた三軒の日本の家」
2021年4月13日 (火) 〜26日 (月)

会場 ニコンサロン
住所 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28F ニコンプラザ東京内
時間 10:30~18:30 (最終日は15:00まで)
休館日 日曜
料金 無料
問い合わせ ニコンサロン (TEL 0570-02-8080)

 

 

〈文〉市井康延