桜の美しさとはかなさが胸に迫る 榎本敏雄プラチナプリント写真展「薄明の櫻」

榎本敏雄さんのプラチナプリント写真展「薄明の櫻」が、2021年4月6日より開催される。

榎本敏雄 プラチナプリント写真展「薄明の櫻」
© Toshio Enomoto

 

榎本敏雄さんは2009年に上梓した写真集『陽炎 (かぎろひ) 櫻・京・太夫』の中で、桜の写真を発表している。その写真集で榎本さんが追求したのは「夜明けの一瞬、山の端から朝日がさし始める瞬間の陰影 ── まだ人影も定かでないなか、おぼろげに見えてくる姿の美しさとはかなさに通じるものを映像にしたい」というものだった。

本展では、当時と変わらぬ姿勢で写し取られた桜の写真を展示する。高知県伊野町で漉かれた「土佐雁皮紙」と、福井県越前町の「越前雁皮紙」を用いたプラチナプリント作品だ。夕暮れや明け方の山際に静かに立つ大木、風に揺れる枝、散り敷かれた雪のような花びらなど、どの写真からも桜の一瞬の美しさとはかなさが胸に迫る。

榎本敏雄 プラチナプリント写真展「薄明の櫻」

会期 2021年4月6日 (火) 〜18日 (日)
会場 京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク
住所 京都市東山区堀池町374-2
時間 11:00〜18:00
休館日 会期中無休
料金 無料
問い合わせ 京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク(TEL 080-5988-7720)

 

 

〈文〉鬼沢幸江