工藤智道さんの写真展「列島光明」が、2021年6月4日より開催される。
すべては一期一会である
太古より続く日本の風景の“神的な美”を求め、心に響いた出会いの時と自然風景を収めた「列島シリーズ」。工藤智道さんが今回発表するのは、2019年の写真展「列島創生」に続く第2弾の作品だ。会場は、この4月に設立された竹内敏信記念館・TAギャラリーで、特別企画展として開催される。
撮影地は日本各地。だが、カメラマンが集まるような名所はほとんどない。「移動中の道端であったり、山道を歩いている時に見つけた光景だったり。このシリーズでは特定の場所に通うこともあまりありません」
上の写真は静岡県東伊豆の海岸だ。日の出を狙って訪れたが、あいにくの雨と強い風に見舞われたという。「すべては一期一会。目の前の美しい海の姿を低速シャッターで捉え、雲海が漂う山並みのように表現しました」
風景は常に変化し、時に躍動する。工藤さんはその本質的な美しさに目を向け、シャッターを切り続けてきた。作品はここ4〜5年のものを中心に、今年3月の最新作まで約30点を厳選した。「列島光明」というタイトルには、コロナ禍が続く中、明るい兆しが訪れるようにとの思いも込められている。
工藤智道写真展「列島光明」
会期 2021年6月4日 (金) 〜25日 (金)
会場 竹内敏信記念館 TAギャラリー
住所 東京都新宿区下落合3-20-4 竹内敏信記念館3F
時間 11:00〜19:00 (最終日は14:00まで)
休館日 日曜・祝日
料金 無料
問い合わせ 竹内敏信記念館 (TEL 03-3953-0431)
備考 観覧は事前予約制。申し込みはWEBサイトより。
http://takeuchi-zaidan.moon.bindcloud.jp/contact.html
〈文〉鬼沢幸江