1億画素ミラーレスで立体曼荼羅を再現する 立木義浩写真展「遍照」~世界遺産 東寺~

立木義浩さんの写真展「遍照」~世界遺産 東寺~が、2021年6月11日より開催される。

立木義浩写真展「遍照」~世界遺産 東寺~

仏像の新たな姿を描き出す

世界遺産である真言宗総本山、東寺 (教王護国寺)。講堂には「両界曼荼羅図」を立体的に表した、いわゆる立体曼荼羅が安置されている。立木義浩さんはかつて、その寡黙にして雄弁な被写体に魅せられて撮影にのめり込み、写真集『東寺 − 生命の宇宙』を上梓した。そして20年余りの時を経て、再び東寺と向き合った。

「20年前は6×8判のフィルムカメラ、今回は富士フイルム GFX100Sを選択した。撮影に応じてさまざまな機材を試すほうだけど、カメラが変わるとやはり写真も変わるね」

広大な立体曼荼羅の中を縫うように歩き回り、独自のライティングとアングルによって仏像の新たな姿を浮かび上がらせる。カメラの特性を踏まえながら、光の少ない状況であっても時には手持ちで軽やかに、時には三脚を立ててじっくりとシャッターを切った。

「35mm判の約1.7倍というイメージセンサー、そして1億画素で撮影した作品が鑑賞者にどのように見えるのか、非常に興味がある」

写真展ではピクセルシフトによる4億画素の作品も含め、約50点が展示される。前作とは異なる趣で、より精彩に仏像と空間に宿る生命感を伝える。

立木義浩写真展「遍照」~世界遺産 東寺~

会期 2021年6月11日 (金) ~30日 (水)
会場 富士フイルムフォトサロン東京
住所 東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン フジフイルム スクエア1F
時間 10:00〜19:00 (最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで)
休館日 会期中無休
料金 無料
問い合わせ フジフイルム スクエア (TEL 03-6271-3350)

 

 

〈文〉鬼沢幸江