ロボットカメラを作り、全国を巡り、ありのままの野生を追い続けた「宮崎学 イマドキの野生動物」展

宮崎学さんは1972年から活動を始め、日本の自然や野生動物たちの姿を記録してきた。その全体像を7シリーズ210点で紹介する「宮崎学 イマドキの野生動物」が東京都写真美術館で開かれる。

宮崎学 イマドキの野生動物
《テン》〈けもの道〉より 1976−1977年 東京都写真美術館蔵

 

ありのままの野生動物の生態を見る。その実現のため、宮崎さんは撮影機材を自作したほか、日本全国を巡り、野営を続けて彼らの姿を追った。

そして、宮崎さんといえば赤外線感知で無人撮影できるロボットカメラが知られているが、驚くのは1976年から今も撮影と記録が続けられていること。さらに、そのカメラでも写し出せない世界を探求したのが、2018年から着手した新作「新・アニマルアイズ」と「君に見せたい空がある」だ。

動物たちの痕跡から生活や行動を読み解く。これまでの豊富な経験知を使い、屋外スタジオと自作のロボットカメラで、これまでにない野生を捉える視覚を実現した。その視線は森の中でともに生きる野生動物の目だ。

また昨今、野生動物たちが街へ現れるニュースをよく耳にするが、いち早くその現実は「アニマル黙示録/イマドキの野生動物』(1993年〜2012年撮影) で描かれている。台所洗剤のキャップや飲料ボトルを身にまとったヤドカリの姿に、私たちは抗弁する言葉を持たない。

宮崎学 イマドキの野生動物

会期 2021年8月24日 (火) ~10月31日 (日)
会場 東京都写真美術館 2F展示室
住所 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間 10:00〜18:00 (入館は閉館30分前まで)
休館日 月曜 (祝日の場合は開館し翌平日休館 8月30日は開館)
料金 一般700円、学生560円、中高生・65歳以上350円
オンライン予約 WEBサイトより
http://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4025.html

問い合わせ 東京都写真美術館 (TEL 03-3280-0099)

 

 

〈文〉市井康延