中条望さんの写真展「今ここで生きる : ロヒンギャ難民キャンプ」が、2021年9月16日より開催される。
人々の生と尊厳を見つめる
バングラデシュ南東部には、複数のロヒンギャ難民キャンプが存在する。2017年8月にミャンマーで起きた衝突を契機に、新たに約70万人もの少数派イスラム教徒 (ロヒンギャ) の流入があった。それまでのロヒンギャ難民と合わせると100万人をゆうに超える。
中条望さんは同年末、長年取り組んでいたビハール難民取材に加え、ロヒンギャ難民の取材に着手した。
「まずは北から南へと、ほぼすべてのキャンプに足を運びました。その中で、1992年から存在するナヤパラキャンプに絞って取材を進めました」
中条さんがシャッターを切る以前に大事にしているのは、被写体やコミュニティから受け入れられること。泥臭い取材を信条にしていると語る。
「今回特に強く思ったのは、情報ではなく感情を伝えられるような写真を撮りたいということです。精一杯の協力と優しさを見せてくれる彼らと過ごす中で、私が感じた彼らの誇りや美しさ、何が彼らを人たらしめているのかという部分に気持ちが向いていきました」
言うなれば、人々の姿を通して感じた生と尊厳。制限された生活の場で、人として今を生きる姿を描いている。
中条望写真展「今ここで生きる : ロヒンギャ難民キャンプ」
会期 2021年9月16日 (木) ~27日 (月)
会場 オリンパスギャラリー東京
住所 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビルB1F オリンパスプラザ東京内
時間 10:00〜18:00 (最終日は15:00まで)
休館日 火曜・水曜
料金 無料
問い合わせ オリンパスギャラリー東京 (TEL 03-5909-0190)
作品解説
9月18日 (土) 14:00〜15:00、写真展会場にて。定員20名、要予約。申し込みはWEBサイトより。
https://fotopus.com/showroom/index/detail/c/3348
中条 望 (Nozomu Chujo)
1984年、三重県生まれ、同志社大学卒業。在学中よりアジアを中心とし難民・スラム・辺境といった状況に生きるマイノリティーに寄り添い撮影を続けている。主な写真展に「友人たちのポートレート : ASIA のMinority – 難民キャンプ・スラム・辺境から-」(2016年)、「サゴッタ : 11歳の女の子が過ごす難民キャンプ」(2018年) などがある。
〈文〉鬼沢幸江