日本の伝統工芸「箔」にプリント、新たな写真表現を追求した織作峰子写真展 ─ 光韻 ─

織作峰子さんの写真展が、2021年9月18日より開催される。

織作峰子写真展「光韻」
© Mineko Orisaku

箔を用いた新たな写真表現

織作峰子さんは、日本の伝統工芸である箔と写真を融合させた作品を制作している。2017年に発表した作品「DIMENSIONS」がその原点であり、2018年には銀座・和光ホールにて箔やアクリル板にプリントした花などの作品、今夏は葛飾北斎へのオマージュとして箔に描いた富士山の作品というように、テーマごとに新たな写真表現を追求し、発表してきた。

今回は「光韻」と題し、北海道や東北、北陸、関東、近畿、四国と、日本各地での近年の風景作品を中心にまとめている。織作さんは次のように語る。

「コロナの影響もあり、時間の流れを穏やかに感じながらの旅の中で、過去の作品も見直すことができました」

上の写真は純プラチナ箔、下の写真は純金箔にプリントしたものだ。これらを含め、今回の作品は和紙に貼った金や銀、アルミなどの箔に特殊なインクジェットプリンターで紫外線硬化型 (UV) インクを吹き付けるという手法が採られている。箔はデリケートな素材のため、難易度の高い工程だ。

写真展では、丁寧に創り上げられたそれらの作品を展示する。作品のサイズは表現内容によってさまざまで、大きいものでは幅3mを超える四曲の屏風も飾られる。実際の作品が放つ美を、ぜひ会場で堪能してほしい。

織作峰子写真展「光韻」
© Mineko Orisaku

織作峰子写真展 ─ 光韻 ─

会期 2021年9月18日 (土) 〜28日 (火)
会場 和光ホール
住所 東京都中央区銀座4ー5-11 銀座・和光 本館6F
時間 10:30〜19:00 (最終日は17:00まで)
休館日 会期中無休
料金 無料
問い合わせ 銀座・和光 (TEL 03-3562-2111)

 

 

織作峰子

織作峰子 (Mineko Orisaku)

石川県出身。1981年度ミスユニバース日本代表。翌1982年に大竹省二氏の大竹スタジオに入門、1987年独立。世界各国の美しい風景や人物の瞬間を撮り続け、各国で写真展を開催。大阪芸術大学教授・写真学科学科長、公益社団法人日本広告写真家協会理事、一般社団法人日本写真著作権協会理事。

 

〈文〉鬼沢幸江