鉄道の原点が詰まったナローゲージの魅力たっぷり! 名取紀之写真展「NARROW GAUGE WORLD -時刻表にない鉄道-」

名取紀之さんの写真展「NARROW GAUGE WORLD -時刻表にない鉄道-」が、2021年10月14日より開催される。

名取紀之写真展「NARROW GAUGE WORLD -時刻表にない鉄道-」

究極のアナログの世界へ

名取さんは高校時代にナローゲージと出会って以来、ライフワークとして世界のインダストリアル・ナロー (産業用ナロー) を追い続けている。ナローゲージとは線路の幅が基準軌未満の鉄道のことで、その多くは時刻表に載らないものの、地域の足や産業を支える輸送手段としての役目を担ってきた。時代とともに姿を消しつつあるなか、名取さんはその魅力を次のように語る。

「新幹線に象徴されるようなシステムで制御する現代の鉄道とは対照的に、ナローゲージは人がすべてを裁量する究極のアナログの世界。極端な話、脱線してもその場で人力で直してしまうといった等身大の魅力があります。いわば鉄道の原点が詰まっているのです」

この作品は30年にわたる取材の集大成としてまとめられた。例えば上の写真は北ドイツの北海を渡る島軌道で、本土と孤島を繋ぐ住民用の鉄道として現存する2路線の一つ。また、下の写真は脱炭素社会への流れで2012年に廃止となった中国・重慶市の運炭列車だ。さらに、フランスの煉瓦工場やイタリアの大理石採掘場、台湾の炭礦、マレーシアのアブラヤシ農園など世界各地のナローゲージが紹介される。

「一般鉄道とは違う、異界の鉄道ならではの魅力を味わってみてください」

名取紀之写真展「NARROW GAUGE WORLD -時刻表にない鉄道-」

名取紀之写真展「NARROW GAUGE WORLD -時刻表にない鉄道-」

<東京>

会期 2021年10月14日 (木) ~25日 (月)
会場 リコーイメージングスクエア東京 ギャラリーR
住所 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービルMB (中地下1F)
時間 10:30〜17:30 (最終日は16:00まで)
休館日 火曜・水曜
料金 無料
問い合わせ リコーイメージングスクエア東京 (TEL 0570-006371)

<大阪>

会期 2021年11月25日 (木) ~12月6日 (月)
会場 リコーイメージングスクエア大阪 ギャラリー
住所 大阪市中央区大手前1-7-31 OMMビル1F
時間 10:30〜17:30 (最終日は16:00まで)
休館日 火曜・水曜
料金 無料
問い合わせ リコーイメージングスクエア大阪 (TEL 0570-007996)

 

 

名取紀之

名取紀之 (Noriyuki Natori)

1957年、東京生まれ。編集者。OFFICE NATORI代表。現在、現存最古の鉄道趣味誌『鉄道模型趣味』(機芸出版社) 編集長を務める。英国Narrow GaugeRailway Society会員。もと日本鉄道保存協会顧問。著書に『森製作所の機関車たち』、『紀州鉱山専用軌道』(島秀雄記念優秀著作賞受賞) ほか。

 

〈文〉鬼沢幸江