可憐に舞う蝶の姿を追い続けた 海野和男写真展「蝶・舞う 2019−2021」

海野和男さんの写真展「蝶・舞う 2019−2021」が、2021年10月28日より開催される。

海野和男写真展「蝶・舞う 2019−2021」

海外の自然から小諸の庭へ

世界の蝶を追い続けて半世紀。海野さんが約2年半ぶりに新作を発表する。撮影地はソロモン、ペルー、台湾、インドネシア、タイ、マレーシア、そして日本。海外取材は2019年3月から1年間で9回敢行した。上の写真はインドネシアの西パプアで出会ったミイロタイマイというアゲハチョウだ。標高2000mの地で撮影した。

実際には2020年4月以降も海外での取材を予定していたそうだが、新型コロナの影響で中止せざるを得なくなった。国内の移動も制限される中、海野さんが目を向けたのは長野県小諸市にあるアトリエ近くの庭だった。

「4年ほど前から整備してきたバタフライガーデンで、今もほぼ籠もりっきり。それまでは憧れの蝶に会うために海外を訪れていたのが、今回、身近な蝶と向き合う良い機会を得たわけです」

下の写真は庭で撮影したオナガアゲハ (左) とメスグロヒョウモンだ。海野さんの庭では1年に約90種の蝶が見られるという。福島や群馬から渡ってきたアサギマダラも確認されている。今回の写真展では、その2年半の作品をまとめた。海外の蝶と小諸の蝶の可憐に舞う姿を中心に展示する。

海野和男写真展「蝶・舞う 2019−2021」

海野和男写真展「蝶・舞う 2019−2021」

会期 2021年10月28日 (木) ~11月8日 (月)
会場 オリンパスギャラリー東京
住所 東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビルB1F オリンパスプラザ東京内
時間 10:00〜18:00 (最終日は15:00まで)
休館日 火曜・水曜
料金 無料
問い合わせ オリンパスギャラリー東京 (TEL 03-5909-0190)

 

 

海野和男

海野和男 (Kazuo Unno)

1947年、東京生まれ。東京農工大学で昆虫行動学を学んだあと、フリーの昆虫写真家として活動。1999年よりデジタルカメラで撮影し、コメントを付け発表する「小諸日記」を始め、現在まで毎日更新を続けている。写真集『昆虫の擬態』で1994年日本写真協会賞を受賞。2021年日本動物行動学会日高賞を受賞。日本自然科学写真協会 (SSP) 会長。

 

〈文〉鬼沢幸江