名作から蔵出し作品まで、植田正治の未知なる世界をひもとく写真展「植田正治を変奏する」RESEARCH / TRIBUTE

植田正治の世界を違う視点から味わうことのできる写真展「植田正治を変奏する」RESEARCH / TRIBUTE が、東京・中野の写大ギャラリーで開催中だ。会期は2022年1月29日まで。

写真展「植田正治を変奏する」RESEARCH / TRIBUTE
「トッチン (1)」1950年 ©植田正治

 

展示はモノクロとカラー約100点で、有名な1枚や、これまでほとんどプリントされることのなかった写真もお目見えする。これは植田正治の研究を20年来続けてきた東京工芸大学写真学科・田中仁教授の成果の一つでもある。

作品を管理する子息の植田亨さんより、田中教授へガラス乾板やモノクロネガフィルムからプリントを行なうプロジェクトの依頼があった。会場にはオリジナルプリントと、教授によるモダンプリントが並び、未知なる植田正治の世界が現れる。

写真展「植田正治を変奏する」RESEARCH / TRIBUTE

会期 2021年11月29日 (月) ~2022年1月29日 (土)
会場 東京工芸大学 写大ギャラリー
住所 東京都中野区本町2-4-7 東京工芸大学5号館 (芸術情報館) 2F
時間 10:00〜18:00 (土曜は17:00まで)
休館日 12月26日〜1月5日、1月14日〜16日
入場料 無料
問い合わせ 東京工芸大学 (TEL 03-3372-1321)

 

 

植田正治 (Shoji Ueda)

1913年〜2000年。鳥取県西伯郡境町 (現・境港市) に生まれ、1932年、東京のオリエンタル写真学校に入学。卒業後、郷里で営業写真館を開業。砂丘などを舞台に構成された演出写真は植田調と呼ばれ、「砂丘シリーズ」のほか、山陰の風土とそこに生きる人々を撮影した「童暦」や「小さい伝記」、1980年代以降のモード写真など高く評価されている。1988年第4回東川賞国内作家賞、1989年日本写真協会功労賞、1996年フランスの芸術文化勲章シュバリエ受章。1995年、鳥取県西伯郡岸本町 (現・伯耆町) に植田正治写真美術館が開館された。
→ 植田正治写真美術館

 

〈文〉市井康延