画家・金子國義の家に散りばめられた魂の鱗片を収めた 須藤絢乃写真展「Anima / Animus」

須藤絢乃さんの写真展「Anima / Animus」が、2022年1月7日からNADiff Galleryで開催される。

須藤絢乃写真展「Anima / Animus」
須藤絢乃《Anima / Animus》2019年、インクジェットプリント © Ayano Sudo, Courtesy of MEM

■展示作品ギャラリー

 

須藤絢乃さんは、行方不明の少女たちを題材にした作品「幻影」で、2014年キヤノン写真新世紀グランプリを受賞し、その後も一貫して仮想世界と現実を行き来するようなシリーズを展開している。被写体の性別を超えた変身願望や理想像を写真に収め、少女漫画のカラー原稿と写真の狭間にあるような作品が特徴だ。

本展では、2015年に逝去した画家・金子國義さんの自宅で、2019年に取り壊される直前まで撮影した「Anima / Animus」シリーズの作品を展示する。タイトルの「Anima (アニマ)」は男性の無意識内にある女性的な側面、「Animus (アニムス)」は女性の無意識内にある男性的な側面という意味があり、「魂」という意味も持つ。

「半世紀以上の月日をかけて地層のように重なった数え切れないオブジェクトの一つ一つに金子氏の愛と魂の吐息がかけられて、美しい亡霊のように訪れる私たちの魂を誘う」と須藤さんは綴っている。その目には見えない「アニマ/アニムス」を擬人化し、ポートレートという手法を用いて、滅びゆく美しい部屋の中に宝石のように散りばめられていた魂の鱗片を描いた作品だ。

関連イベントとして、「トーク&漫才イベント」や「トーク&朗読イベント」も開催する。また、写真展「VITA MACHINICALIS」を、同ビル3FのMEMにおいて同時開催。バーチャルとリアルの間に揺らぐ美しさを探り、生身の人間をアンドロイドのように写し取った作品を新作を含めて展示する。

須藤絢乃写真展「Anima / Animus」

会期 2022年1月7日 (金) 〜30日 (日)
会場 NADiff Gallery (ナディッフ ギャラリー)
住所 東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 1F
時間 13:00〜19:00
休館日 月曜 (月曜が祝日の場合は開館し、翌日休館)
入場料 無料
問い合わせ ギャラリー (TEL 003-3446-4977)

関連イベント

■氷野清史郎 (薔薇貴族薔薇学園生徒会長) &泉深薫 (イミテーションフラワーアーティスト) +須藤絢乃 トーク&漫才イベント

日時 2022年1月15日 (土) 19:30〜20:30
会場 NADiff a/p/a/r/t
定員 20名
参加費 会場 2,750円、アーカイブ配信 1,650円 (いずれも税込)

■ルアン (電影と少年CQ) × 須藤絢乃 トーク&朗読イベント

日時 2022年1月29日 (土) 19:30〜20:30
会場 NADiff a/p/a/r/t
定員 20名
参加費 2,200円、アーカイブ配信 1,650円 (いずれも税込)

■申し込み

WEBサイトより
http://www.nadiff.com/?p=26184

 

 

須藤絢乃

須藤絢乃 (Ayano Sudo)

被写体の性別を超えた変身願望や理想像を写真に納め、少女マンガのカラー原稿と写真の狭間にあるような平面作品を発表。実際の作品は独自のテクスチャをもった印画紙にプリント、さらにラインストーンやグリッターなどで装飾され、照明の元でキラキラと輝く仕様になっている。2011年、ミオ写真奨励賞にて森村泰昌賞受賞。2014年、実在する行方不明の少女たちに自ら扮したシリーズ「幻影 Gespenster」でキヤノン写真新世紀グランプリ受賞。同タイトルの作品集がフランスのHOLOHOLO BOOKSより出版されている。
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〈文〉鬼沢幸江