新進写真家を発掘する第16回「名取洋之助写真賞」受賞作品の写真展が東京と大阪で開催

第16回「名取洋之助写真賞」受賞作品の写真展が、2022年1月21日より開催される。

2021年 第16回「名取洋之助写真賞」受賞作品写真展
2021年 第16回 名取洋之助写真賞「失われたウイグル」(カラー30枚) より © Hisato Kawashima

 

2021年 第16回「名取洋之助写真賞」は川嶋久人さん、同奨励賞は喜屋武真之介さんに決まった。2020年はコロナ禍で募集を中止。今回は高校生からプロ写真家まで26名、26作品の応募があった。

川嶋さんは千葉県生まれの35歳。アルバイトをしながら、写真や文章をマスメディアで発表している。そして 2009年、ウイグル族と武装警察、漢族が衝突した事件の直後に訪れた。以来、この国を見つめ続け、まとめたのが今回の受賞作「失われたウイグル」だ。「穏やかだった日々から静かに転調し、2018年の作品から伝わってくる“恐怖・不自由・無力感”は胸に迫る」と選考委員の清水哲朗さんは評する。

名取洋之助写真賞奨励賞・喜屋武さんの「母と、子」はシングルマザーに5年半密着し、児童虐待の現実を見つめた。野町和嘉さんは「世代を跨いだ児童虐待連鎖の中で苦悶する母と子を、見つめてきたその執念に頭が下がる」としつつ、プリントの完成度が足りず評価が下がった点を惜しんだ。喜屋武さんは沖縄県生まれの36歳。毎日新聞社写真部に所属し、2021年から沖縄駐在。

名取洋之助写真賞とは?
主にドキュメンタリー作品に取り組む新進写真家の発掘と活動を奨励するために、公益社団法人 日本写真家協会が主催している写真コンテスト。毎年、35歳以下のプロ・アマチュア写真家を対象に作品を公募し、名取洋之助写真賞1名と奨励賞1名を選出する。2020年は募集を中止したため、2021年に限り応募資格は36歳までとなった。

2021年 第16回「名取洋之助写真賞」受賞作品写真展

東京

会期 2022年1月21日 (金) ~27日 (木)
会場 富士フイルムフォトサロン東京 スペース1
住所 東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン・ウェスト1F フジフイルム スクエア内
時間 10:00〜19:00 (最終日は16:00まで、入館は終了10分前まで)
休館日 会期中無休
入場料 無料
問い合わせ フジフイルム スクエア (TEL 03-6271-3350)

大阪

会期 2022年2月4日 (金) ~10日 (木)
会場 富士フイルムフォトサロン大阪
住所 大阪市中央区本町2-5-7 メットライフ本町スクエア1F
時間 10:00〜19:00 (最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで)
休館日 会期中無休
入場料 無料
問い合わせ 富士フイルムフォトサロン大阪 (TEL 06-6205-8000)

 

 

〈文〉市井康延