千葉康由さんの写真展「アライバル」が、2022年2月2日より開催される。
彼らの家族にまず伝えたい
ケニアの首都ナイロビを拠点に、AFP通信社の報道写真家として活動する千葉康由さんが、エチオピアのティグレ内戦を写真に収めた。この内戦はスーダンとエリトリアの国境に接するティグレ州においてエチオピア軍とティグレ人民解放戦線との間で起きたもので、2020年11月から続いている。
今回、千葉さんが写真展で展示するのは、同年12月と翌年6月から7月にかけて撮影した写真が中心だ。スーダンにできた難民キャンプから、ティグレの州都メケレの難民キャンプ、人道支援現場、市場などの日常、さらにメケレに近い街で起きた空爆直後の戦況変化の様子までが写し取られている。
「戦争捕虜として刑務所へ向かう兵士の姿を見たとき、まず考えたのが、これだけの兵士が生きていることを、その家族に知らせたいということでした。人道支援を訴えたいとも思いました」
この撮影以来、ティグレ州では海外メディアの取材が許可されていないという。今なお緊迫した状況が続く中、難民、空爆、凱旋、捕虜という4つの到着 (アライバル) を写真で伝える。
千葉康由写真展「アライバル」エチオピア・ティグレ内戦の現地報告
会期 2022年2月2日 (水) ~21日 (月)
会場 富士フイルムイメージングプラザ東京 ギャラリー
住所 東京都千代田区丸の内2-1-1 丸ノ内 MY PLAZA 3F
時間 10:00〜18:00 (最終日は14:00まで)
休館日 火曜
入場料 無料
問い合わせ 富士フイルムイメージングプラザ東京 (TEL 03-6259-1615)
千葉康由 (Yasuyoshi Chiba)
朝日新聞社写真部を経てフリーランスとなりケニアへ移住。仏・AFP通信社のブラジル・サンパウロ、リオデジャネイロ支局で勤務後、2017年より同通信社の東アフリカ・チーフフォトグラファーとしてナイロビ在住。世界報道写真コンテスト2020大賞など受賞多数。
〈文〉鬼沢幸江